国内

2023.04.04

タクシー配車率が大幅改善、「電脳交通」が倍々ペースで成長

提供=電脳交通

タクシーの配車システムを手がける電脳交通が、4月4日、シリーズCとして12億円の資金調達をしたと発表した。

既存投資家として三菱商事、第一交通産業、エムケイ、阿波銀行、いよぎんキャピタル、徳島大正銀行、新規としてJPインベストメント、ENEOSイノベーションパートナーズ合同会社、四国旅客鉄道、沖東交通グループ、三和交通が出資した。

電脳交通は2015年に創業し、タクシー事業者向けに、クラウド型タクシー配車システム「DS」の開発・提供をしている。毎年約2倍ペースで導入車両数が拡大し、45都道府県でサービスを展開する。

導入が進む理由は、SaaS型のため低価格であり、地図などが常に最新の状態で利用できる点だ。機能のアップデートも頻繁に行ってきた。例えば2021年には、乗合機能を実装。乗車依頼を受けたオペレーターが利用者の乗車位置と乗車順を設定するだけで、ドライバーの端末に走行順序やルートが送られるもの。今年2月には、配車依頼など定型的な電話の問い合わせに自動で応答する機能を始めた。

顧客のなかには、それまで使用していたシステムと比較しコストが3分の1削減され、業務効率も高まった事業者もいる。また、コロナ禍でドライバーが減り、人手不足によって配車率が60〜70%だったが、電脳交通のシステム導入後に90%近くまで向上したケースもあるという。

※配車率:乗車を希望する人の数を100とした場合、配車が行われる回数の割合

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文=露原直人

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