禅の教え「自他非分離」を意識する
施策を選択する際の判断基準の一つが、パーパスにつながっているか否かである。たとえ売り上げに貢献していようとも、パーパスから遠い施策であれば、早いうちにやめるべきだ。世の中には「効果はあるけれど、モヤモヤするマーケティング施策」がごまんとある。
顧客を欺いている。顧客からの信用を失っている。パーパスから遠ざかっている。あなたがもしモヤモヤを感じたのであれば、原因はこれら3つのいずれかだ。該当施策はマーケティング倫理に反している可能性が高い。目先の利益を稼いでいるに過ぎず、はっきり言って無意味である。
施策を選択する上で、既存のマーケティング施策をすべて洗い出す必要がある。パーパスに共感してもらえる施策はどれか。この視点で施策を選べばいい。
マーケティング施策と聞けば、広告を思い浮かべるかもしれない。しかし、マーケティングZENでは過剰な広告を否定する。自社メディアやメルマガ、自社紙媒体、オフラインのイベント、ポッドキャスト。コントロールしやすいチャネルでの情報発信に力を入れる。パーパスから遠ざかる施策については、早いタイミングで中止する。「金のなる木」ではなく「信用失墜のホットスポット」だと理解しよう。
パーパスを表現できる施策があれば、商品やサービスにつながる導線を最低限置くことは有効だ。サービスの売り込みを目的とするのではなく、ただパーパスを感じながらサービスを提供する。パーパスに共感しているオーディエンスであれば、きっと顧客となってくれる。
マーケティング施策を展開する際、禅で言う「自他非分離」を意識したい。自社と顧客は同一の存在である。味気ない関係性ではなく、人間味や体温を感じながらお互いが一体となれるチャネルは必ず存在するのだ。