リラグルチドは、2型糖尿病患者の血糖値のコントロールに用いられる注射薬だが、食事療法や運動療法と組み合わせて使用する体重減少薬としても承認されている。
この薬は、2014年に米食品医薬品局(FDA)から成人の体重管理のための薬品として初めて承認され、2020年に子どもの体重管理のための承認を取得した。
「サクセンダ」の商品名で販売されるこの薬は、WHOの必須医薬品リストに登録される最初の減量薬となり、ウェゴビー(Wegovy)などの他の同種の薬がそれに続くことが期待されている。
リラグルチドの製造元のノボノルディスク社は、ウェゴビーに加えオゼンピック(商品名セマグルチド)と呼ばれる同種の薬を製造している。
リラグルチドなどのGLP-1受容体作動薬をリストに加えるための要請は、イェール大学、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の米国人研究者4名によって提出されていた。
リラグルチドの米国での特許は、ノボノルディスク社と他のメーカーとの和解により、2023年末に失効予定で、2024年6月にジェネリック薬が発売予定だ。ノボノルディスク社は、今回のプロセスに関与しておらず、ロイターへの声明で「WHOの決定を楽しみにしている」と述べた。
WHOの栄養・食品安全担当ディレクターのFrancesco Blancaは、3月29日の記者発表で「この薬にはある程度の歴史があるが、その期間はおそらく、必須医薬品リストに掲載されるために十分なものではないだろう」と述べた。「さらに、治療費に関する問題も存在する。WHOはまた、子どもと青少年のための体重を抑えるための薬の使用についてのガイドラインを検討中だ。つまり、審査は現在進行形だと考えている」と彼は述べた。
(forbes.com 原文)