3月は、シリコンバレー銀行とシグネチャー銀行の破綻を受けて、その他の地方銀行の株価も低迷し、S&P500種株価指数の業種別指数で、金融セクターは月間で10.6%のマイナスとなり、業種別騰落率で最下位となった。
実際、S&P500の月間ワースト14銘柄のうちの13銘柄が銀行株で、中でもファースト・リパブリックの3月の下落率は89%に達した。大手銀行10行の時価総額の合計は、3月1日の1兆5900億ドルから3月31日には1兆3500億ドル(約173兆円)と、15%もの大幅な減少を記録した。
さらに、大手銀行25行に範囲を拡大すると、時価総額の合計は1兆9600億ドルから1兆6400億ドルに減少しており、3000億ドル以上が失われたことになる。
対照的にS&P500種の業種別で月間上昇率のトップとなったのはITセクターで、11%高を記録し、メタが20%強、アルファベットやマイクロソフトもそれぞれ10%強上昇した。
金融当局は3月10日にシリコンバレー銀行(SVB)を、3月12日にシグネチャー銀行を閉鎖した。これらの2つの銀行は顧客の流動性ニーズを満たすことができず、米国史上2番目と3番目に大きな銀行破綻となった。
連邦預金保険公社(FDIC)は、破綻の直後にこれらの銀行の預金保護の上限の25万ドルを撤廃し、全額を保護すると宣言したが、銀行株の投資家は資金を引き上げた。
銀行の監督当局は、SVBの経営陣がリスク管理に失敗したことが破綻の主な原因だと非難したが、銀行セクターの株価の下落は、17年ぶりの高金利のマクロ環境におけるこの分野の先行きへの懸念を示している。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は3月22日、9回連続の利上げを実施し、インフレの抑制を継続した。
4月に入ってからの決算発表でこのセクターの痛手の詳細は明かされる。米国の10大銀行は4月14日から20日にかけて決算発表を予定しており、ファースト・リパブリックの注目の決算発表は4月14日に予定されている。
(forbes.com 原文)