ニトリで実践、失敗しない「デジタル化」 DX推進者がすべき7カ条

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こうなると、何かしらDXに取り組んでいる実感はあるものの、成果を感じるに至らないというのは容易に想像がつくのではないかと思います。
 
では、どうすれば実のある成果に結びつけられるのでしょうか。
 
そもそもの話をすると、「DX」は「デジタル化」が目的ではなく、「業務を変革をしていく」ことが重要です。つまり、その変革を行う上で「デジタルの力に頼る」というのが正しいのです。

デジタルを活用して変革を確実に進めていくために、次に示す7つのチェンジマネジメントのアプローチが私は重要だと考えます。

1. 目的やゴール(業務や組織のビジョン)を明確にし、明文化して共有する。
2. 自分の現在地を把握し、ゴールとの差(課題)を明確にする。
3. 課題を解決するためのDX推進者(推進グループ)を設置する。
4. DX推進に好意的なスポンサーを設定する。
5. 一緒にDXに取り組むアンバサダーを現場から招き入れる
6. 社内のDXコミュニティを設定する。
7. DXの取り組みを思い出してもらうための施策を定期的に実施する。
 
以下、具体的になぜ必要なのか述べていきたいと思います。

1. 目的やゴール(業務や組織のビジョン)を明確にし、明文化して共有する。

人はなぜ実施するのかという目的がわからなければ、作業として一時的に取り組んだとしても、より意義が感じられる方に流れてしまいます。なので、取り組みの継続を促すためにも、絶対に必要なことです。また目指すべきゴールがはっきりすれば、そこまでの距離を測ることができるようになり、近づいていれば、それが成果として実感できるようになります。
 
2. 自分の現在地を把握し、ゴールとの差(課題)を明確にする。

たとえば、目的地まで何百キロも離れていれば、課題解決の施策は「ジェット機で移動(高額システム導入)」になるかもしれないですし、目的地まで1キロならば「徒歩(システム導入しない)」という選択肢があります。
なお、そもそも現状を数値化できず距離が測れない場合には、デジタル化をして現状を俯瞰的に見るための仕掛けが必要です。
 
3. 課題を解決するためのDX推進者(推進グループ)を設置する。

新しい物事を進めるためには、周りに影響を受けずゴールへ向かって走る推進者が必要です。ちなみに、DX推進者がいる場合といない場合では、成果に2倍の差がでるとある調査結果で言われています。
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文=INDUSTRIAL-X・中村祥子 編集=露原直人

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