最も影響を受ける職種
金融と銀行
銀行はすでにビジネスモデルにAIを取り入れ始めている。英ケンブリッジ大学オルタナティブ金融センターと世界経済フォーラムによると、銀行の56%が管理部門などにAIを導入し、52%は収益創出にAIを利用したと答えている。米金融Capital One(キャピタル・ワン)の上級副社長アビジット・ボーズは、貯蓄や支出に関する詳細な財務アドバイスを行うためにAIが潜在的に「取引を監視」するだろうとワシントンポストに語っている。同じく米金融のMorgan Stanley(モルガン・スタンレー)は資産管理データベースの整理にOpenAIを搭載したチャットボットを使い始め、これによりアドバイザーがより効率的にデータを引き出したり調査したりできるようになっている。世界経済フォーラムはまた、AIが金融部門に「雇用削減」「雇用創出」「効率アップ」の3つの変化をもたらすと予測している。 さらに2027年までに中国の金融部門の仕事の23%がAIに取って代わられると予測している。
メディアとマーケティング
Natural Sciences(ナチュラル・サイエンス)の主任研究員クリスティアン・ハモンドは、15年以内に「ニュースの90%が機械によって書かれるようになる」と英テレビBBCに語っている。Natural Sciencesは決算発表前の企業レポートを書く●AI言い換えツール「Quill」というソフトを持っている。ドイツの出版社Axel Springr(アクセル・シュプリンガー)は2月に「現代技術」と自動化を優先した人員削減を含む「デジタルのみ」への移行計画を発表した。ビジネスインサイダー、CNET、CNBCといったさまざまなメディアの記者はニュース記事を書くのにChatGPTを使っているが、虚偽の情報が含まれていると往々にして批判されている。米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、米オンラインメディアBuzzFeed(バズフィード)のCEOジョナ・ペレッティは1月に同社がコンテンツのパーソナライズやクイズの充実にChatGPTを利用すると発表したが、従業員は大いに落胆している。Salesforce(セールスフォース)の調査によると、マーケティングの世界ではマーケターの84%が2020年にAIを使用したと報告しており、2019年の29%から大幅に増えた。業績の良いマーケティングチームのAIと機械学習のユースケースは2020年には平均して約7種類で、半数以上が2021年に利用を増やす予定だと答えた。