キャリアである。
人生の多くの時間を費やす仕事の積み重ねで培われるキャリア。このキャリアに我々の多くが縛られている。
「キャリアのために、嫌な仕事も我慢してやる」「この意見には反対だが、キャリアのために黙っておこう」。または、頭のどこかに出世や生き残りという言葉が浮かび、「ここで戦ったら角が立つ」と、自由に発言できず、言葉を飲み込んで仕事をしている人も少なくないはずだ。
すべての働く人がこの呪縛から解き放たれ、「キャリア・フリーダム」を手に入れられれば、自らの個性を最大限発揮でき、仕事を、さらには生きることをさらに楽しむことができるのはないだろうか。
キャリアの自由というと、経営者やフリーランスなど、自らのキャリアを自らの意思100%に近いところで選んだ人の話に聞こえるが、キャリア・フリーダムとは、組織で働く人が、キャリアという呪縛に縛られることなく、自分がやりたいことを思いっきりやって生きていくための武器なのだ。
これまでは、フリーダムのある人生を選ぶか、組織人としてある程度の枠組みの中で働くかの二者択一だったが、副業の解禁などもあり、徐々に組織で働きながらも自由に考えられるようになってきた。そんな中でもう一歩踏み込んで、組織で働きながらキャリア・フリーダムを手に入れることを考えていくと、よりよい仕事ができるはずだ。
キャリア・フリーダムがある状態とは
今の組織や会社を辞めても、自分がやりたいことができるオファーや許容できる条件の仕事が間違いなくある状態。これがキャリア・フリーダムがある状態だ。そういう状態になると、実際に動くかどうかは別にして、現状にしがみつくことなく、最悪ここでうまくいかなくても働く先はあるという安心感がある状態がある。その状態のほうがより思い切ったことができるし、挑戦することもできる。
ただキャリア・フリーダムは、自分がその状態にあるのかどうかを認識するのが難しい。マーケットのニーズは常に大きく変わっているし、自分の中での成功バイアスにとらわれて正しく判断できない場合もある。
転職相談に乗ると「こんな経験があるから、どこへ行ってもやっていける!」と思って転職活動をしたらオファーがなかなかないという話もあるし、逆もしかりで、「自分はかなりシニアなのでそうそう行く先はないですよ」と言いつつ複数のオファーを得られる人もいる。自分にキャリア・フリーダムがあるかどうかを正しく認識するには、3つの方法がある。