同業界のロビー団体のコインセンター(Coin Center)は先日、バイトダンスが運営するTikTokを禁止するために提出された法案が、暗号資産の取り締まりに利用される可能性があると指摘したが、以前から暗号資産に批判的なことで知られる民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は、規制の強化に向けて「反クリプト軍」を構築すると宣言した。
「私は、米国の政府を労働者の家族の側に置くためにこの戦いに参加している」とウォーレン議員はツイッターに投稿し、彼女が「反クリプト軍を結成している」と報じたニュースサイトPoliticoの記事へのリンクを掲載した。
米証券取引委員会(SEC)を監督する上院銀行委員会のメンバーであるウォーレン議員は、昨年から相次いで提出された、暗号資産の規制強化の法案を主導している。
「ならず者国家やロシアのオリガルヒ、麻薬王や人身売買業者らは、デジタル資産を使って何十億ドルもの資金洗浄を行い、制裁を回避し、テロ資金を調達している」と、彼女は昨年12月に「デジタル資産アンチマネーロンダリング法」の法案を提出した際に述べていた。
一方、暗号資産業界の関係者は、米財務省の外国資産管理局(OFAC)が昨年夏に取引の匿名性を高めるツールのTornado Cashをブラックリストに載せて以来、この分野の規制強化を警戒している。ロビー団体のコインセンターは先日、TikTokの規制に向けて提出された法案の「RESTRICT法」が、将来的にビットコインと暗号資産の取り締まりに活用されると述べている。
「この法案の主なターゲットはTikTokのような企業だが、その文言は、暗号資産取引の規制やビットコインなどのプロトコルへの米国人のアクセスを遮断するためにも使われる可能性がある」と、コインセンターはブログで主張した。
暗号資産業界への逆風は、市場から2兆ドルの時価総額が蒸発した最近の暴落の後に高まっており、昨年は大手取引所のFTXが破綻した。
コインデスク編集長のKevin Reynoldsは、先日の論説記事で「当局が今後もこの分野の規制を強化するのであれば、透明性が高い民主的プロセスでそれを追求すべきだ」と主張した。「バイデン政権がこの業界を殺すつもりでないことを祈りたい」と彼は述べていた。
(forbes.com 原文)