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2023.03.31 15:00

宇宙開発ヴァージン・オービットが事業停止、675人を解雇

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経営危機に直面した宇宙開発企業「ヴァージン・オービット」のダン・ハートCEOは当面の間、事業を停止し、従業員の90%を解雇すると社員らに告げた。3月30日のCNBCが報じた。英国の富豪のリチャード・ブランソンが設立した同社は、新たな資金調達を模索していたが、その試みも頓挫した。

CNBCが入手した全社ミーティングの録音によると、ハートCEOは従業員に対し「明確な道筋を示す」ための資金を見つけることができなかったと語っている。

ヴァージン・オービットはまた、米証券取引委員会(SEC)への提出資料で、全従業員の約85%に相当する675人を削減し、約100人のチームに縮小すると発表した。同社はまた、ブランソンが保有するヴァージン・インベストメント社に1090万ドル(約14.5億円)の転換社債を売却したことも明らかにした。

ヴァージン・オービットの株価は30日に16%下落し、過去最低の34セントをつけ、CNBCの報道後の時間外取引でさらに43%以上急落した。フォーブスは同社にコメントを求めたが現時点で回答は得られていない。

現在72歳のブランソンは、2017年に小型衛星の打ち上げサービス企業としてヴァージン・オービットを設立し、2021年7月に彼自身を含む有料顧客を宇宙に送り込んだ宇宙旅行会社のヴァージン・ギャラクティックと提携させた。

昨年ナスダックに上場したヴァージン・オービットは、ブランソンのヴァージン・インベストメントに転換社債を売却することで急場しのぎの5500万ドルを調達したが、同社の財政難はより深刻なものになっていた。昨年11月の第3四半期決算で、同社は4300万ドルの損失を計上していた。

フォーブスの推定で30億ドルの資産を保有するブランソンは、世界で964番目の富豪とされている。彼は今から約50年前に設立したヴァージン・レコードの事業で財を成し、1992年に同社を10億ドルで売却した。ブランソンは現在、ヴァージン・モバイルやヴァージン・アトランティックなど、ヴァージンの名を冠したさまざまな企業の運営に関わっている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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