大麻取締法改正に対する影響
2023年は大麻取締法改正の歴史的な年になるかもしれません。大麻取締法改正の大義名分は①大麻医薬品の使用 ②大麻使用罪の創設 ③伝統的大麻栽培の緩和 の3つにありますが、健全なカンナビノイド市場形成のためにCBD議連が超党派で立ち上がり、法改正に向けて関わるガイドラインや省令作成のために動いています。医療でも、伝統的大麻栽培でもそれぞれ多くの方が関わって大麻取締法改正に向かっています。正直、前回規制されたHHCやTHCP、今回規制されたTHCOやHHCOに加え、現在もTHCBやTHCHなどサイコアクティブなカンナビノイドを販売する業者は後を絶ちませんが、彼らの行動は大麻の合法的な活用を遅らせる結果に繋がるのではないかと危惧しています。
欠ける倫理観とロジック
厚生労働省はそもそも中枢神経系への作用のある物質を規制対象としています。規制対象になるかどうかは使用してみるとすぐにわかるはずです。サイコアクティブであるとされるカンナビノイドは、体感などで明らかに中枢神経系への作用があるとわかります。
となると規制されるのも時間の問題となります。いずれ規制対象となる成分を扱うことは長期的な目で見ると社会的信用の観点から損失が大きいと考えています。
SNSで拡散された痛ましいニュースとしては、サイコアクティブなカンナビノイドを販売する実店舗の業者が女性客に勧めて試させた上で、性的な暴力に発展したのではないかというものがありました。
また、先日の中目黒の桜祭りでもTHCHの入ったクッキーが路面で売られていたという情報もあり大変危惧すべき状況です。他国の合法地域でもTHCなどの精神作用がある製品はライセンスのある場所で年齢確認などの条件を課してのみ販売が許可されています。露店で不特定多数の人に販売するのは事故につながる可能性が極めて高いと思います。
サイコアクティブの合法性
CBD製品やCBD原料を輸入するときに、厚労省はガイドラインを作りそれを業者に求めています。他にも食品や化粧品として販売する際には、所管する部署から輸入許可をいただいて販売します。これまで規制されたTHCOやHHCO、他にもサイコアクティブなマイナーカンナビノイド/半合成カンナビノイドについては、税関に問い合わせると担当者は、薬機法改正の前にも独自にそのような精神作用を有するカンナビノイドについては輸入許可を出していない、と回答がありました。ということは正式に輸入通関をしていない成分がほとんどだということになります。
また、調べてみると、THCOやHHCOなどサイコアクティブな半合成カンナビノイドは食品としての登録がありませんでした。ということは食品輸入届出も出していないのです。
食品でないものや化粧品でないものをそれらと偽って表示することも違法であり、悪質であると言わざるをえません。 あるサイコアクティブなカンナビノイドを販売する業者は、「成分分析表があるから安心だ」、「PL保険に加入しているから安心だ」、などとSNSで発信していますが、信頼にたる情報だとは思えません。