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2023.03.31 11:30

アップルのヘッドセットは「量産延期」、WWDCでの発表は不透明

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アップルは6月の開発者会議WWDCで、長らく登場が期待されているMR(複合現実)ヘッドセットを発表すると報じられている。しかし、著名アナリストのミンチー・クオは、同社がまたもやこの製品のアナウンスを先送りすると述べている

アップルは今週、毎年恒例の開発者会議WWDCを6月5日(日本時間6月6日)から開催すると発表し、ブルームバーグはこのイベントで「Reality One」または「Reality Pro」と呼ばれるMRヘッドセットが公開される見通しだと報じている。しかし、TF証券のアナリストのクオは3月30日のツイートで、この見方を否定した。

クオによると、アップルはこのヘッドセットが、かつてのiPhone登場の際ほどの熱狂をもたらさないと考えており「量産スケジュールをさらに1~2カ月延期し、2023年第3四半期の半ばから後半に先送りした」という。さらに、この延期で、ヘッドセットがWWDCで公開されるかどうかについて「不透明感が増した」とクオは指摘した。

今年のWWDC のイメージ写真には、ヘッドセットのレンズ構造を思わせる虹のようなイメージが描かれている。その曲線は、Meta Quest 2などのVRヘッドセットに採用されているフレネルレンズの一部のように見えるため、アップルがいよいよ待望のヘッドセットをお披露目するとの期待が高まった。

しかし、クオによると量産開始の遅延によって、今年のヘッドセットの出荷台数は20万台から30万台程度に留まる見通しという。これは、当初の予測されていた50万台を大幅に下回るボリュームだ。

アップルが、このデバイスの先行きを楽観視していない理由としてクオは、景気の低迷やハードウェアの仕様変更による重量の増加、3000〜4000ドル(約40万〜53万円)に達する販売価格の高さなどを挙げている。今回のイベントでは、製品そのものは公開されず、コンセプトのみが発表される可能性もあるとクオは述べている。

ヘッドセットに関しては、ここ最近、あまり良いニュースが報じられていない。調査会社IDCによると、2月22日に発売されたソニーのPSVR2の3月末までの販売台数は27万台に留まる見通しで、同社は今後、値下げを迫られる可能性があるという。この製品は概ね高い評価を得ているが、約550ドル(日本では税込み7万4980円)という価格の高さがネックになっているとされる。

ソニーの初代のヘッドセットPSVRは2016年に発売され、初年度に200万台を販売していた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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