Dominionのプレゼンテーションでは、解説者タッカー・カールソンのスタッフが、MyPillow(マイピロー)の創設者で頻繁にゲストとして登場するマイク・リンデルを「クレイジー」と呼び、選挙不正に関する根拠のない陰謀論を宣伝して「深みにはまった」と述べていると報じられた。その後、リンデルが同番組の「最大の広告主」であることから、リンデルの出演を擁護するメッセージが流れた。
2020年の選挙で数十州の投票機を担当したDominionは、同社の投票機が何らかのかたちでトランプに不利になるよう不正に操作されたとする根拠のない陰謀論を放送したことで、FOXニュースが同社のブランドに大きな損害を与えたと非難し、2021年に訴訟を起こした。Dominionは、自分たちはトランプの虚偽の主張に内心懐疑的だったにもかかわらず放送を続けたタッカー・カールソン、ローラ・イングラム、ショーン・ハニティーらが司会を務めるプライムタイムの人気番組が陰謀説を広める鍵になったと主張している。
FOXのルパート・マードック会長は、1月の宣誓証言で、FOXニュースはトランプの虚偽の主張に対してもっと反発すべきだったと考え「今にして思えば、もっと強く非難するべきだった」と述べている。また、リンデルに広告を出させたのは、政治的というより、むしろ経済的な判断だったと示唆している。
Dominionは2月、FOXニュースの司会者が陰謀論を押し通すゲスト、特に元トランプ弁護士のシドニー・パウエルをあざ笑う多数のテキストメッセージを公開した。カールソンは、虚偽の主張を宣伝するのは「正気でなく」「衝撃的なほど無謀」だと言い、Instagram(イングラム)はパウエルを「完全にいかれている」と呼んでいた。
(forbes.com 原文)