VAIOは現在ハイエンドモデルの「VAIO SXシリーズ」とミッドレンジモデルの「VAIO Sシリーズ」の2ラインアップ態勢だったが、さらにその下にスタンダードモデルとして「VAIO Fシリーズ」が加わったかたちだ。
Fシリーズは「愛される定番を創る」を開発コンセプトとしている。発表会に登壇した同社の開発本部プロダクトセンター長黒崎大輔氏は「『普通のPCだね』と言ってもらえるのが、我々にとって褒め言葉。最高の『普通のPC』にあえて挑んだ」と話しているほど、Windows PCとして「定番モデル」とはなにかを考えて作り上げたとのこと。
製品化にあたってこだわったポイントは3つ。1つは大画面化で、これは昨今テレワークや在宅勤務、オンライン授業などでPCの利用が増えたことにより、ユーザーからPCに対して「画面が小さい」という不満点を多く上げているため。
そこでFシリーズでは、モバイル向けA4サイズのPCでは一般的な13.3インチではなく、14インチ(1920×1080ドット)のディスプレイを採用。また大型のVAIO F16は、現在のVAIOでは最大の16インチディスプレイ(1920×1200ドット)を搭載。さらにVAIO F16の画面比率は16:10となっており、縦方向に表示範囲が広くなっているため、ワープロや表計算アプリ、ウェブサイトなどが見やすくなっている。
2つ目は、コミュニケーション機能の強化。やはりテレワークや在宅勤務、オンライン授業での利用が増えたため、PCでは、以前よりウェブカメラやマイク性能が注目されている。VAIO Fシリーズでは、狭額縁のベゼルにおさめるため小型化していることから、ウェブカメラの解像度こそFHDだが、明るさや時間軸方向のノイズ処理TNR(Temporal Noise Reduction)による自動調整などを行い高画質化している。また、内部の取り付け角度をディスプレイ面に対して5度傾けているため、ディスプレイを開いた状態で自分の顔が中央に来るように調整もされている。
16インチディスプレイ搭載のVAIO F16
さらにマイクはAIノイズキャンセリング機能を搭載。周囲の雑音や本体のキーボードをタイピングしている音などをかなりキレイに消し去ってくれる。実際にデモンストレーションのビデオでも確認したが、ノイズは消えているものの、話者の音声はきれいなままで非常に聞き取りやすかった。またディスプレイ面から45度方向に対してマイクの指向性を設定する機能も装備。周囲の声を拾わずに、ディスプレイの前にいる人の声だけをピックアップできるので便利だ。