深圳に本社を置く同社は、半年ごとにトップが交代する仕組みをとっており、現在51歳の孟は9月30日までの6カ月間、会社を率いることになる。ファーウェイのトップに女性が就任するのはこれが初めてとなる。以前は同社の最高財務責任者(CFO)を務めていた孟は、2018年12月に米国の対イラン制裁に違反したとして、カナダ当局に拘束され、米国で起訴されたが、2021年9月に帰国していた。
孟は容疑を否認したが、検察との司法取引の一環でいくつかの不正行為を認めていた。彼女が2021年にカナダを出国する際に、中国政府は報復措置として拘束していた2人のカナダ人を解放した。今回の人事は、昨年4月にすでに報じられていた。
バイデン政権が中国のハイテク企業への監視を強化する中で、孟はまた新たな試練に直面することになりそうだ。米当局は、ファーウェイ向けの製品の輸出をほぼ全面的に禁止しており、米国のサプライチェーンから同社を完全に排除する構えを見せている。同社は2019年に、米国のエンティティリストに追加され、米国の先進的なチップの入手を禁じられている。
この禁止措置の影響は、同社が31日に発表する2022年の年次決算で明らかになる見通しだ。
ファーウェイは、2021年末の時点で「米国の規制はもはや我々の新たな常識になり、通常通りのビジネスに戻っている」と述べていた。しかし、創業者の任はその数カ月前に、世界的な不況の中で同社が生き残りに注力し、不採算の事業ラインを削減すべきだと警告していた。
ビリオネアの任には、孟以外に2人の子どもがいることが知られており、息子のレン・ピンはファーウェイに勤務し、娘のアナベル・ヤオ(Annabel Yao)はハーバード大学を卒業後に、エンタメ業界でキャリアを積んでいると報じられている。
(forbes.com 原文)