政治

2023.03.30

ツイッター、米保守議員の投稿制限 「トランス復讐デー」警告で規約違反か

マージョリー・テイラー・グリーン米下院議員(Getty Images)

米国の保守派下院議員マージョリー・テイラー・グリーン(共和党、ジョージア州)は、Twitter(ツイッター)が自身の議員アカウントに対し、投稿などを7日間禁じる制限を課したことを明らかにした。グリーンはこのアカウントで、テネシー州ナッシュビルで今週起きた銃乱射事件に絡み「トランス復讐(ふくしゅう)デー」に関する投稿を繰り返し行っていた。

ナッシュビルの小学校で起きた銃乱射事件では、児童3人を含む6人が死亡。オードリー・ヘール容疑者(28)が警察に射殺された。ヘールはトランスジェンダーを自認し、ソーシャルメディア上では男性の代名詞「he/him」を使用していたとされる。

グリーンを含む保守派は、容疑者の性自認に焦点を当て「トランス運動」が暴力行為を推進しているとの主張を展開。世論を銃規制に関する議論から遠ざけようと試みている。だがこうした保守派の主張に対しては、トランスジェンダーの人々は銃犯罪を含む暴力の被害者となることが多いと反論する声も上がっている。

グリーンが言及していた「トランス復讐デー」は、トランスジェンダー団体が事件前から呼びかけていた集会で、米最高裁判所前での抗議デモを予定している。

グリーンはツイッターの個人アカウントへの投稿で「アンティファの暴力計画を暴露した」ことが理由で、議員アカウントが停止されたと主張。ツイッターのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)をタグ付けし「最高裁で計画されている政治的暴力について米国民に警告した」ことを理由とするアカウント停止は、同社の信頼・安全担当責任者であるエラ・アーウィンが示した指針と矛盾すると指摘した。

アーウィンはこれに先立つ投稿で、グリーンが共有したものと同じ「トランス復讐デー」の画像について「復讐」という言葉は「平和的な抗議を示唆しない」との理由で、これまでに5000件以上の投稿を削除したと説明。一方で、この画像をシェアしたアカウントに対する「ストライク」(繰り返し受けることで凍結につながる警告)は行っていないと述べていた。

ただ、グリーンのアカウントに対する処分が、この画像を繰り返し投稿していたことと実際に関連していたのかどうかは不明だ。

グリーンは以前にも、ツイッターの利用規約違反を理由にアカウントを停止されている。個人アカウントは昨年、新型コロナウイルスに関する誤情報を繰り返し投稿したことで、永久凍結された。だがツイッターは、イーロン・マスクによる買収後、グリーンのものを含む一連の凍結アカウントを復活させた。同社はマスクに買収されて以降、誤情報やヘイトコンテンツに関する規制を緩めており、それまで設置していた「信頼・安全協議会」も解散している。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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