不安や悲しみに襲われたときに食べたくなるコンフォート・フードは、大容量のアイスクリーム、ケーキそしてピザなど、大半が砂糖を多く含むものや、加工食品だ。
脳と腸の複雑な関係について、食べ物がいかに私たちの幸福感に影響を及ぼすか、そして腸内細菌叢(マイクロバイオーム)とストレス反応の相互関連性について明らかにしたスコット・C・アンダーソンの『The Psychobiotic Revolution(サイコバイオティック・レボリューション)』や、これまでの複数の研究結果から、明らかになっているいくつかのことを紹介する。
メンタルヘルスの改善と特に関連性が強く、破局後の傷心も癒してくれると「科学的に」考えられるのは、以下のような食品だ。
・アーティチョーク
アーティチョークには、健全なストレス応答に重要な役割を果たすカリウム、マグネシウム、ビタミンC、ビタミンKが豊富に含まれている。2019年に『International Journal of Scientific Research』に発表された研究結果によると、1日600mgアーティチョーク葉エキスを(錠剤のかたちで)摂取することで、うつ病の症状に改善がみられたという。
・スープ
オーガニックの原料で作るスープなど、健康的な食品を提供する米パシフィックフーズ(Pacific Foods)が昨年12月に実施した調査では、破局を経験した人の88%が「癒しを求めているとき、スープが欲しくなる」と回答している。
また、『Journal of the Association for Psychological Science』に掲載された研究結果は、人間関係に対する前向きな関わり方や孤独感の軽減と、スープを取ることには関連性があることを示している。
・ダークチョコレート
カカオ含有率70%以上のダークチョコレートには、抗酸化物質やフラバノールが多く含まれており、不安の解消に役立つと考えられている。
・生の野菜とフルーツ
オーストラリアのエディス・コーワン大学の研究チームが2021年にジャーナル『Clinical Nutrition』に発表した研究結果は、野菜と果物を多取る食生活が、メンタルヘルスの改善につながることを示している。
・発酵食品と飲料
私たちの気分や行動のコントロールに大きな役割を果たしているのが、何兆個もの腸内細菌だ。ザワークラウト、ケフィア、ヨーグルト、キムチといった発酵食品を摂取することは、健康的な腸内細菌叢をサポートすることになる。