北米

2023.03.29

FTX創業者が贈賄罪で起訴、中国政府高官に53億円を不正送金

FTXの創業者のサム・バンクマンフリード(Getty Images)

経営破綻した暗号資産取引所FTXの創業者サム・バンクマンフリードは3月28日、中国政府の高官に約4000万ドル(約53億円)相当の暗号資産を不正送金した容疑で検察当局に追起訴された。彼は、自身のヘッジファンドのアラメダリサーチが中国で保有する暗号資産口座の凍結を解除するために、賄賂を送ったとされている。

バンクマンフリードは、2021年11月にアラメダの口座から中国当局者のものと思われる個人口座への4000万ドルの送金を命令し、米国のFCPA(海外腐敗行為防止法)の贈収賄防止の条項に違反した容疑で起訴された。

FTXの創業者で元ビリオネアの彼は現在、同社の不正なビジネス慣行に関連する13件の罪で起訴されている。

検察によるとバンクマンフリードは、中国当局がアラメダが所有する約10億ドルの暗号資産へのアクセスを遮断した後、賄賂の海外送金を指示したという。彼の広報担当者はコメントを控えている。

米国の贈収賄罪の刑期は最高5年とされ、バンクマンフリードの他の罪状に関連する100年以上の懲役刑と比較すると、比較的軽微なものと言える。この新たな疑惑は、検察が31歳の彼のスマートフォンの使用やほとんどのウェブサイトへのアクセスを禁止する保釈条件の改正を提案した数時間後に発表された。

バンクマンフリードの暗号資産帝国のFTXは、昨年11月にコインデスクが同社とアラメダの財務の疑惑を報じた事を受けて突如崩壊した。彼は、この報道の後にFTXのCEOを辞任し、そのしばらく後に幹部らとともに逮捕されていた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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