北米

2023.03.30

米アーカンソー州がTikTokとメタを提訴、「消費者を騙した」と主張

Shutterstock

米アーカンソー州は、メタとTikTokがSNSアプリで利用できるコンテンツに関し、消費者を欺いたとする訴訟を起こした。同州は、これらの企業が特に子どもに悪影響を与えていると主張している。
 
3月28日の発表によると、アーカンソー州のティム・グリフィン司法長官(共和党)は、メタに対して1件、TikTokとその中国の親会社のバイトダンスに対して2件の個別の訴訟を州裁判所で起こし、これらの3社が州の欺瞞的取引の禁止法(Deceptive Trade Practices Act)に違反していると主張した。
 
アーカンソー州は、フェイスブックやインスタグラムの親会社のメタが意図的に、若年層のユーザーが「中毒状態に陥る」ようにアプリを設計したと主張した。また、TikTokとバイトダンスに対する1つ目の訴訟では、この2社が未成年者に露骨なコンテンツを宣伝するアルゴリズムを作成したと主張し「未成年者の行動に影響を与え、重大な損害を与える可能性がある」と述べている。
 
さらに、もう1つの訴訟で同州は、TikTokらが「中国政府がユーザーデータにアクセスできない」という虚偽の主張をしていると述べている。先週の議会の証言でTikTokのCEOの周受資(ショウ・ジ・チュウ)は、同社が米国内のデータを中国政府と共有したことがないと主張した。
 
TikTokとバイトダンスの両社は、インディアナ州でも同様の疑惑をめぐる訴訟に直面している。インディアナ州のトッド・ロキタ司法長官(共和党)は昨年末、TikTokが中国政府にユーザーデータを提供し、成人向けのコンテンツを子どもに提供していると述べ、州の消費者保護法に違反していると主張する訴訟を起こしていた。
 
一方、メタも先月、テキサス州で顔認証データを不正に収集していたとして提訴された。
 
インディアナ州でのTikTokとバイトダンスに対する訴訟は、両社が米国外を拠点としているため、前進する可能性は低いとされている。アーカンソー州の訴訟も同じハードルに直面する可能性がある。
 
メタもTikTokらと同様に、州や連邦政府からの厳しい監視にさらされてきた。48の州と地域の司法長官は2020年にメタを提訴し、同社がインスタグラムとWhatsAppを買収した後に、SNS市場を独占したと主張した。この訴訟は2021年に棄却されたが、司法省はこの訴訟を復活させるよう促している。
 
連邦取引委員会(FTC)も昨年7月に、メタとVR(拡張現実)アプリ制作会社のWithin Limitedの合併を阻止するための反トラスト法(独禁法)訴訟を起こしたが、先月になってこの訴訟を取り下げていた。
 
forbes.com 原文

編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事