ロイター通信によると、中国外務省の毛寧(マオ・ニン)報道官は、米国は「有罪の推定」に基づいてTikTokを標的にしており、同アプリが国家安全保障を脅かすという証拠は何も提示していないと述べた。
その上で、外務省関係者は、米国に対し「公正な競争を尊重し」「外国企業への弾圧をやめる」よう呼びかけたと、同報道は付け加えている。
中国政府の声明は、ケビン・マッカーシー下院議長(カリフォルニア州)が「中国共産党の技術的触手から米国人を守る」ための法案を進めるとツイートした数時間後に発表された。
先週、中国外務省は中国政府が民間企業に対し「現地の法律に違反する手段で」外国の個人や団体のデータを共有するよう求めたことはなく、今後も求めることはないだろうと述べている。
また先週、周が議会で証言した後、マイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州)は、3月26日にABCニュースに対して「これで実際に、議会が何らかの行動を起こす可能性が高まったと思います」と述べている。中国共産党に関する下院特別委員会の委員長であるギャラガーは、TikTokのいわゆるプロジェクト・テキサスの提案には、そのアルゴリズムのコントロールに対処するための措置は含まれていないと付け加えた。「この問題は、単に米国の携帯電話からデータを流出させているということだけではありません。問題は、このアプリがアルゴリズムを通じて米国人に何を押し付け、現実感やニュースをコントロールし、将来の選挙に干渉することができるということです」
先週23日の下院エネルギー・商業委員会での証言で、周はTikTokを擁護し、同プラットフォームが外国事業者に米国のユーザーデータへのアクセスを許可していないと主張した。2022年10月のフォーブスの報道で、ByteDance(バイトダンス)がTikTokから収集した位置情報を使って特定の米国人の監視を計画していることについて尋ねられた周は「スパイ行為」はこれを表現する正しい言葉ではないと述べた。また、中国政府関係者が米国のユーザーデータにアクセスしている「証拠はない」とする周の発言は、議員たちから即座に反発を受けた。周の証言の後、TikTokは声明で、公聴会は「現実の解決策を認めない政治的大義名分に支配されている」と述べた。また、TikTokのCOOであるバネッサ・パパスは、ツイートで公聴会は「外国人嫌いに根ざしていると感じた」と述べた。
マーク・ワーナー上院議員(民主党)とジョン・チューン上院議員(共和党)を中心とする超党派の議員たちは、TikTokのようなアプリが国家の安全を脅かすと判断した場合、大統領に禁止する権限を与えるRESTRICT法という法案を進めようとしている。バイデン政権は、この法案への支持を表明するだけでなく、プロジェクト・テキサスとして知られる、米国のユーザーデータと中国の親会社ByteDanceとの間にファイアーウォールを構築するというTikTokの提案も拒否したと報じられている。同政権はその代わりに、TikTokに米国事業の売却を迫ろうとしており、中国はこれに強く反対している。
(forbes.com 原文)