実際、画像をよく見ると、そこにいる「警官」の制服や帽子の文字は妙にぼやけているし、トランプにはどうやら足が1本余分に生えているようである。ヒギンズは「見た人がトランプの足が3本あることに気づくだろうと見越して」投稿したとAP通信に説明している。
AIを使って生み出した架空の写真や動画は「ディープフェイク」と呼ばれ、これまでにテイラー・スウィフトやスカーレット・ヨハンソンら女性歌手や女優の顔を合成したポルノ動画が問題になったほか、2018年にはバラク・オバマ元米大統領がトランプをののしるフェイク動画が拡散するなど政治家も被害に遭ってきた。
Meta(メタ)やツイッター、TikTok(ティックトック)といったソーシャルメディア各社はプラットフォームでディープフェイクを禁止しているが、発見にてこずっているうちに拡散してしまうことも少なくない。だが、ヒギンズが例示してみせたようにディープフェイクと本物を見分けるコツもある。
トランプ本人が最近シェアしたフェイク画像を題材にしてみよう。トランプが23日に自身のソーシャルメディア「Truth Social(トゥルース・ソーシャル)」に投稿したこの画像では、トランプとおぼしき人物が部屋の真ん中でひざまずき、両手を組んで祈っている。彼には光が直接当たっている。