スポーツ

2023.03.27 17:30

大リーグ球団価値は右肩上がり 最新ランキングでエンゼルスが7位に浮上

エンゼルスの大谷翔平(右)とマイク・トラウト(Kathryn Riley/Getty Images)

エンゼルスの大谷翔平(右)とマイク・トラウト(Kathryn Riley/Getty Images)

フォーブスは毎年恒例の米大リーグ(MLB)球団価値ランキングをまとめた。ニューヨーク・ヤンキースが前年比18%増の71億ドル(約9300億円)で調査開始以来26年連続の1位となった。

2位はロサンゼルス・ドジャースで、評価額は昨年の40億7500万ドルから48億ドル(約6300億円)に増えた。以下、ボストン・レッドソックス(45億ドル)、シカゴ・カブス(41億ドル)、サンフランシスコ・ジャイアンツ(37億ドル)と続いている。

全30球団の平均価値は前年比12%増の23億2000万ドル(約3040億円)だった。2022年シーズンの全球団の収入(球場の債務返済分を控除後)は7.5%増の103億ドル(約1兆3500億円)と過去最高を記録した。チケット販売(64%増)やプレミアム座席(スイートとクラブシート)の売り上げ(35%増)の伸びが押し上げた。

各球団の評価では、それぞれが本拠を置く場所や「地域スポーツネットワーク(RSN)」と呼ばれる有料の地元向けスポーツ専門テレビ局の業績がカギを握っている。とくに、大リーグ14球団などのローカル放映権をもつダイヤモンド・スポーツ・グループが最近、経営破綻した影響も大きかった。評価額27億ドル(約3500億円)で昨年の9位から7位に順位を上げたロサンゼルス・エンゼルスは、ニューヨークやシカゴ、ボストンと同様、プレミアム価格で買い手がつく南カリフォルニアに本拠地があるという点と、ダイヤモンド・スポーツ傘下のバリー・スポーツ・ウエストという収益力のあるRSNで試合が放映されている点が評価額に貢献した。

フォーブスのマイク・オザニアン副編集長によると、エンゼルスはオーナーのアルテ・モレノが売却計画を取り下げる前、27億ドルを超える入札額が提示されていた。オザニアンは「RSNの不振という逆風にもかかわらず、収益力のあるRSNをもつビッグマーケットのチームはなお魅力的な資産となっている」と解説している。

2023年大リーグ球団価値ランキング

2023年の球団価値上位10チームは次のとおり(カッコ内は前年との比較)。

1位 ニューヨーク・ヤンキース:71億ドル(+18%)
2位 ロサンゼルス・ドジャース:48億ドル(+18%)
3位 ボストン・レッドソックス:45億ドル(+15%)
4位 シカゴ・カブス:41億ドル(+8%)
5位 サンフランシスコ・ジャイアンツ:37億ドル(+6%)
6位 ニューヨーク・メッツ:29億ドル(+9%)
7位 ロサンゼルス・エンゼルス:27億ドル(+23%)
8位 アトランタ・ブレーブス:26億ドル(+24%)
9位 フィラデルフィア・フィリーズ:25億7500万ドル(+12%)
10位 セントルイス・カージナルス:25億5000万ドル(+4%)

評価方法

総収入と営業利益(EBITDA=利払い・税引き・償却前利益)は2022年シーズンのキャッシュの出入り(発生主義ではない)を計算した。球団の所有するRSNの株式や関連する損益は評価額や営業損益に含めていない。情報はスポーツ金融の関係者、貸借契約書や公募債発行時の届け出などの公的文書、メディア権利の専門家などから取得した。

11位以下を含む2023年版ランキングの詳細はフォーブスのUSで閲覧できる。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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