AI

2023.03.28 10:00

グーグルの生成型AI「Bard」がもたらす医療革命の可能性

ブログの著者らは「LLMはエキサイティングなテクノロジーですが、欠点がないわけではありません」と説明している。「たとえば、システムは現実世界の偏見や固定観念を反映したさまざまな情報から学習しているため、それが出力に現れることがあります。さらに不正確な情報、誤解を招く情報、虚偽の情報を、自信満々に提示することもできるのです。たとえば、簡単な室内植物をいくつか提案してほしいとたずねたとき、Bardは説得力のあるアイデアをいくつか提示しました。しかし、ZZの学名など、いくつかの間違いがあったのです」。彼らは続けて、このシステムが「Zamioculcas Zamiifolia(ザミオクルカス・ザミーフォーリア)」という植物に対して誤った学名を提案した例を提示している。

とはいえ、もし正しく使えれば、医学的な会話を可能にし、医師や専門家が患者の診断計画を立てたり、治療の橋渡しをしたりするのに役立つかもしれない、大きな可能性を秘めている。

より大規模には、このような直感的なモデルを訓練することができれば、データから強力なインサイトを導き出す大きな機会を提供できる。医療は1兆ドル(百兆円)規模の産業であり、毎年テラバイト単位のデータが生成されている。このデータに高度な人工知能や機械学習モデルを重ね合わせることで、この情報をよりよく理解し、より大きな目的のために活用できる大きな機会が得られるかもしれないのだ。

一般的にAI、特に生成型AIの場合、倫理的、安全的に考慮すべき課題が多いことは確かだ。このような製品では、テクノロジー企業が解決しなければならないリスクが数多く存在し、その範囲はヘイトスピーチや言葉の誤用から、医療現場では特に危険な誤解を招く情報の生成にまでおよぶ。もちろん患者は、訓練を受け、免許を持った医療従事者のみから医療を受けるべきだ。

とはいえ、グーグルや他の企業が作るこのような高度なツールは、世界で最も困難な問題の解決に対する大きな可能性を秘めている。そのため、企業は安全で倫理的、かつ消費者の視点に立った製品づくりを行うという大きな責任を負っている。この技術が正しく使われるなら、この先何世代もの医療を変える可能性があるのだ。

本記事の内容は、いかなる手段であろうとも、専門的な医学的助言、診断、治療に依存したり代替したりすることを意図したものではない。このコンテンツは、情報提供のみを目的としている。医学的なアドバイスについては、訓練を受けた医療専門家に相談してほしい。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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