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2023.03.31 16:00

ホテル業界の組織づくりに変革を TRUNK(HOTEL)が実行する人的資本投資の現在地

近年ますます、企業経営において「人」の問題が大きくクローズアップされる機会が増えている。企業の実力を測る物差しとして非財務指標を重視する流れの中で、「人的資本」の重要性についての議論も活発化しているのではないだろうか。

日本のブティックホテルの先駆けであるTRUNK(HOTEL)には、従業員の自己実現とクリエイティブにこだわる独自の仕掛けがある。

業界屈指の高エンゲージメントを誇り、今後の事業拡大を見据える同ホテルブランドは、どのような組織戦略を描いているのか。

TRUNK(HOTEL)で人材開発を担当する市川裕秀がその実態を語るとともに、日本における「経営 × 人」の第一人者であるプロノバ代表取締役社長でユーグレナ取締役CHROの岡島悦子氏がその本質を紐解く。

自分らしく、無理せす等身大で──TRUNK(HOTEL)流のサステナブル

「ブティックホテル」とは、欧米を起点に海外で広がっているホテルのカテゴリーだ。日本ではまだ確立されていない、「ブティックホテル」の第一人者が渋谷・神宮前にあるTRUNK(HOTEL)である。
 
市川裕秀(以下、市川):簡潔に表すと、高品質・高価格で、社会性と独創性を両立し、唯一無二で、チェーン展開していない、というのが私たちの掲げるブティックホテルの定義です。

岡島悦子(以下、岡島):TRUNK(HOTEL)には、それぞれの土地に馴染むコンセプトやデザイン性を作るという独自の価値観がありますね。

市川:はい。神宮前にあるTRUNK(HOTEL)1号店のコンセプトは、“ソーシャライジング(Socializing)”で、「自分らしく、無理せず等身大で、社会的な目的を持って生活すること」という意味になります。

ホテル事業の検討が始まった頃にできたコンセプトですが、今話題の「サステナブル」を私たち流に解釈したワードとも言えます。岡島さんのおっしゃる通り、今後展開していくホテルでは、全ての店舗で異なるコンセプトを打ち出していきますが、 “ソーシャライジング(Socializing)”はブランドの根幹に根ざす概念にもなっています。

岡島:今でこそ、社会価値と経済価値を両立させるという文脈でSDGsやESGに言及する企業は多いですが、TRUNK(HOTEL)はもっと前からそれに取り組んでいた、と。当時も「エコ」はありましたが、スタイリッシュでなく、敷居の高いイメージでした。ソーシャライジングは、「楽しいから社会貢献する」「社会貢献をお客さまの幸せにつなげる」といったワクワク感のある言葉ですよね。
 一人ひとりの“WANT”に向き合い、実現を支援ーーTRUNK(HOTEL)流の人的資本投資とは?

「自分らしく、無理せず、等身大」を掲げる上で、TRUNK(HOTEL)では従業員たちが働きがい、生きがいを感じられる環境作りを重要視している。なかでも力を入れているのが、従業員一人ひとりのやりたいことを支援する仕組みだ。
 
市川:従業員たちが働きがい、生きがいを感じられる環境作りは、持続可能な組織作りにおいて特に重要だと考えています。

そもそも、働く一人ひとりが持続可能でなければ、どんなに素敵な取り組みもいずれは枯渇してしまいます。組織作りの指標として、弊社では半年ごとにエンゲージメントを測るサーベイを実施しています。

各従業員が何に期待し、どのような満足があるのか、その逆も然り。期待値と現状のギャップを埋めていくことでよりよい環境作りにつなげる狙いがあります。もちろんすぐ改善が難しいこともありますが、できる限り正直に社員の声に向き合い、オープン化して、会社としてアンサーもしています。

岡島:個々の従業員が充足して働ける環境作りは非常に重要です。お客さまに対してよいサービスを提供したいという意欲が生まれ、お客さまに付加価値のあるサービスを提供でき、さらにお客さまの「リピートしたい」という欲求を生む……という循環につながりますから。

市川:お客さまにより良いサービスを提供するためには、従業員一人ひとりのオーナーシップが大切だと思っています。自分の好きなことは頑張れる。だからこそ個々の「WANT」、つまり“やりたいこと”に向き合い、いいものは評価し、異なるものは承認しつつ正しい方向へ導いていく。これは、従業員と会社の目指す姿をすりあわせ、全員が同じ方向を向くための作業でもあります。

岡島:そもそもコンセプトやクレド(全従業員が心がける信条や行動指針)といった抽象度の高い言葉は、対話を重ねなければ従業員に当事者意識を持ってもらうことが難しいですからね。

年齢や勤続年数、立場にかかわらず、最初はマネタイズにつながらなくても、面白いアイデアに関しては周囲でサポートしながら実現につなげるという。


岡島:従業員のWANTが採用された例でいうと、結婚式で役目を終えた装飾用の花を再利用してワンコインのブーケとして販売するフラワーマーケットが、フラワーチームのスタッフ発信で始まったということもありましたよね。

市川:
我々は、役職や立場にとらわれることなく、面白いことはどんどんやっていいというカルチャーですからね。フラワーマーケットは、開業翌年の2018年にフラワーチームが自主的に始めたものですが、今では毎週月曜日は行列ができるほどになっています。 

岡島:ホテル業界を志望する人は「お客さまを喜ばせたい」という情熱をもって就職するでしょう。ただ、実際に働いてみるとその情熱をサービスという形に替える難しさに直面すると思います。その点、TRUNK(HOTEL)の場合は個々のWANTに対してフィードバックを続けることで、従業員は情熱を具現化する手段を学ぶことができます。成長実感があるでしょうね。

市川:WANTの実現を支援する「10%ルール」という制度もあります。就業時間の10%を自分のために使っていいというもので、中長期的な目標に向けて社内外の人と話をしたり、調査をしたりといった準備に充ててもらっています。

岡島:1週間に5日のフルタイム勤務だとすれば、週1日の午前中は自分のために使えるのですね。熱量や好奇心といったものは、時間やお金の余裕がないと削がれてしまう。それを絶やさないという意味で、意味のある投資だと感じます。

市川:大多数のスタッフが、ホテル内でお客様と接する業務に携わっているので、彼ら、彼女らのWANTには「今、目の前のお客さまに何かをしてあげたい」というものが多いんです。だからこそ、承認プロセスを必要としない、「お金」の権限委譲も重要だと捉え、制度を見直している最中です。

岡島:ホテルには安全面や衛生面などマニュアルが必要な部分もあります。でも、それ以外の部分は、マニュアルに載っていないことでも臨機応変に対応できたほうがお客さまのためになるケースもある。

WANTに重きを置く人材制度は、マニュアルのない中でクリエイティビティを発揮する力の育成にもつながっているのではないでしょうか。

「ここでなら能力を発揮できる」という実感こそ組織の価値

良い環境を丁寧に作り、そこで働く従業員の感性を育てる。こうした考え方によって、ホテル業界としては画期的な取り組みも生まれている。それが年末年始の4日間完全休業だ。これも社員の声から生まれた施策だという。
 
市川:いままでサービス業は、人が休んでいるあいだに働く仕事とされてきて、かつては私たちもそう思い込んでいました。ただ、従業員との何気ない対話で聞く「年末年始は休んだことがない」という言葉に、あらためてこの慣習を疑問視するようになって。

もちろん年末年始は繁忙期で、開けていれば売り上げも立つでしょう。でも従業員の充足度を考えるなら、年末年始ぐらいは従業員が家族や友達と過ごせたほうがいい。

岡島:そもそも、サービス業界ではいま、デジタル時代のサービスの在り方を問い直す動きが見られます。「ホテルは年末年始も休まない」という商習慣を疑い、「自分たちの充足こそがサービスの質を高める」という価値観を提示することは、業界に一石を投じることにもなりますね。

市川:私たちのミッションは「ホスピタリティ業界にイノベーションを」です。年4回、従業員評価を行い、その人の生んだ付加価値を給与のプラスアルファとして反映させるという制度を導入していますが、これにはホテル業界の低すぎる給与水準を改善したいという狙いもあります。

岡島:人間だからこそ生み出せる付加価値に対価を支払い、給与水準を上げるというのは、すばらしい取り組みです。従業員のサステナビリティだけでなく、ホテル業界全体のサステナビリティにもつながっていくのではないでしょうか。

市川:いままで続けてきた人的投資がホテルの価値に変わっているという実感もあるんですよ。というのも、TRUNK(HOTEL)では知人を紹介して入社を促す「リファラル採用率」が30%を超えています。

従業員の友人・知人は似たような価値観を持っていることが多いので、カルチャーフィットしやすく、ミスマッチが少なくなる。結果的にロスを減らすことができ、そこで生み出したコストをまた組織作りに投資していくことができています。

岡島:それは従業員の「みんなでつくってきた」「ここでなら能力を発揮できる」という実感が醸成されている証ですね。そうしたカルチャーこそ、非財務情報の無形資産価値なのだと思います。

市川:TRUNK(HOTEL)では、今後も東京を初めとする都市圏、そしてリゾート圏でも新規出店を目指していますが、ずっと「みんなでつくっていく」という姿勢はブレないだろうと感じています。2023年に東京・富ヶ谷のTRUNK(HOTEL) YOYOGI PARKの開業、2027年にはTRUNK(HOTEL) DOGENZAKA(仮称)のオープンを予定しています。

組織づくりにイノベーションを起こすことで、ホテル業界に多様な人材を呼び込みたいと思っています。私たちの様々なアクションで日本のホテル市場をインスパイアし、日本全体の観光価値を上げていくことに貢献する。

もし今後、私たちのビジョンに共感し、新しい価値を生み出したいという意思を持った方々とめぐり会うことができたら、さらにうれしいですね。

 
市川裕秀◎TRUNK専務取締役、人材開発部部長。大学卒業後、ヒルトンホテル入社。その後テイクアンドギヴ・ニーズ(T&G)へ移り、アークフェリーク白金支配人、新店舗立ち上げ、課題店舗の立て直しや支配人育成、人事採用・教育などに従事。2013年からTRUNK(HOTEL)プロジェクトに参画し、2016年より現職。

岡島悦子◎プロノバ 代表取締役社長、ユーグレナ 取締役CHRO(非常勤)。ヒューマンキャピタリスト、経営チーム強化コンサルタント、リーダー育成のプロ。三菱商事、ハーバードMBA、マッキンゼー、グロービス・グループを経て、2007年プロノバ設立。丸井グループ、セプテーニ・ホールディングス、マネーフォワード、ランサーズ、ヤプリにて社外取締役。著書に『40歳が社長になる日』(幻冬舎)他。

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