オールバーズによると、シューズのカーボンフットプリントの業界平均は14kgである。オールバーズはカーボンオフセットに頼らず、製造方法やサプライチェーンを見直し、以下のソリューションでカーボンフットプリント0.0kgを実現した。
・カーボンネガティブ アッパー:ニュージーランドの畜産農場「レイク・ハウェア・ステーション(Lake Hawea Station)」でリジェネラティブ農業で生産されたメリノウールを使用した
・カーボンネガティブ ミッドソールフォーム:生物由来材料(サトウキビ由来)を80%含むミッドソールフォームを使用した
・カーボンネガティブ バイオプラスチック:微生物を利用してメタンをポリマーに変換する工程を採用。同工程は、米Mango Materialsと共同開発した
・容器包装:サトウキビ由来のカーボンネガティブなグリーンポリエチレンを使用した真空容器包装により、重量を削減するとともに積載率も向上させた
・輸送方法:バイオ燃料での海上輸送や、港から倉庫までの輸送時の使用燃料に配慮した
オールバーズは、レイク・ハウェア・ステーションとニュージーランドメリノウール社(The New Zealand Merino Company)と共同で、CO2を排出・吸収する素材や工程を考慮して製品のカーボンフットプリントを定量化する方法の開発に取り組んでいる。
「M0.0NSHOT」は、2023年6月にデンマーク・コペンハーゲンで開催される「Global Fashion Summit」で公開、2024年春に発売予定。
オールバーズの共同創業者兼共同最高責任者(co-CEO)のティム・ブラウン氏は、ネット・ゼロカーボン・シューズは同社の取り組みの集大成でもあると述べている。オールバーズはこれまで、カーボンネガティブ素材の開発や商品へのカーボンフットプリントの表示など、CO2削減に向けて積極的に取り組みを進めてきた。2020年にはアディタスと提携し、カーボンフットプリントが当時世界で最も低い(※)シューズを共同開発。2021年には、カーボンフットプリントを算出できるライフサイクルアセスメント(LCA)ツールを公開している。
土壌を修復・改善しながら自然環境回復につなげることを目指すリジェネラティブ農業を実践する農家との提携など、革新的なアプローチを採用して開発されたカーボンフットプリント0.0kgの同シューズは、アパレル業界におけるマイルストーンとなりそうだ。
【プレスリリース】
世界初のネット・ゼロカーボン・シューズ「M0.0NSHOT」プロジェクトを発表
※ オールバーズ調べ
※この記事は、2023年3月にリリースされたCircular Economy Hubからの転載です。