経営史に残る名場面、「インテル」の意思決定とは

インテル元会長兼CEOの故アンドリュー・グローブ氏。写真右はマイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏(Photo by Tim Mosenfelder/Getty Images)

このインテルの事例から、私たちの日常の意思決定を改めて考えてみたい。身の回りでもこういったリアル(実体)とストーリー(後日談)のズレが、日常的に起きているはずだ。

私たちは過去を振り返った際、その複雑性を排除するために、何かわかりやすいストーリーに身を委ねてしまう。しかし、実体はそんなわかりやすいストーリーのようにはなっていない。日常の小さいランダムな意思決定が組織を動かし、そして、どんな大経営者であっても、その日常的な意思決定を無視することはできず、影響を受ける。

結果的に成功すれば、そのことを誰かが経営者の英雄的なストーリーに仕立てるかも知れない。しかし本質は、そのストーリーに語られない部分にも存在するのだ。

次回は、このインテルの事例から浮かび上がるもう一つの論点について考察してみたい。もしボトムアップの意思決定が重要だとするならば、トップの意思決定の役割とは何なのか?ということだ。

今回はこのように書いたが、グローブやゴードンは、あの大観覧車のシーンを除いたとしても、やはり素晴らしい意思決定者であったと私は考えている。

それは何を決めたことにあったのか? そんな問いを通じて、経営者の意思決定について深堀りしてみようと思う。

連載:「意思決定」のための学びデザイン次回:4月24日公開
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文・イラスト=荒木博行 編集=宇藤智子

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