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2023.03.27 17:00

犬猫マッチング「OMUSUBI」 280団体の支援で見えた保護活動のリアル

OMUSUBI事業責任者の井島ななみ(撮影=藤井さおり)

OMUSUBI事業責任者の井島ななみ(撮影=藤井さおり)

飼育放棄などによって飼い主の手から離れ、動物愛護団体や地方自治体の保健所に保護された「保護犬」「保護猫」。ペットを飼う人たちのなかには、ショップで購入するのではなく、これらの保護動物を引き取ろうと考えている人も多いだろう。

引き取りは、動物愛護団体などが開催する譲渡会で行われることが一般的だが、コロナ禍で対面のイベントを開くのが制限され、スムーズに新たな飼い主の元へと渡るのが難しくなっている。

そうしたなかで利用が伸びているのが、オンライン上で愛護団体などの保護犬や保護猫と「里親希望」の飼い主をマッチングするサービス「OMUSUBI(お結び)」だ。

同サービスは、フレッシュペットフードなどを手掛ける「PETOKOTO(ペトコト)」が、2016年12月に開始した。OMUSUBI上には、保護犬や保護猫の年齢や性格、アピールポイント、譲渡費用といった基本情報はもちろん、各団体の理念なども掲載されている。

登録団体数はコロナ禍前の2019年から約250%増加し、現在は280団体を数える。2021年から2022年にかけては譲渡数も1.6倍に増え、累計では2300件に上るという。

ペットを迎える新たな選択肢として成長を続けるOMUSUBIだが、事業責任者の井島七海(いじま・ななみ)は、多くの愛護団体と関わるなかで、保護活動の難しさも目の当たりにしてきた。保護活動に関わる人たち、そしてペットを求める飼い主たちのウェルビーイングを実現するために必要なことは何か、探ってみた。



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「殺処分」減少の裏では保護団体への皺寄せも

近年、犬や猫の殺処分状況は改善されている。環境省の発表によると、2021年度の件数は1.4万匹と、前年比40%減となった。その一方で、いくつかの事情が絡み、保護団体の負荷が大きくなっている。

一つは2013年以降、地方自治体が「引き取りを拒否」できるようになったことだ。これは安易な飼育放棄を防ぐことを目的に法改正が行われた。また、ペットショップでの生体販売が主流で、保護犬・保護猫を迎える文化はなかなか進まずにいたことも一因だ。

こうした背景から、保護団体に皺寄せが行き、人手や資金不足などが慢性的な課題になっているという。井島は次のように語る。

「保護依頼や相談が団体へ集中し、負荷が偏ってしまっている現状があります。犬や猫との出会いの場を、保護団体さんだけの努力に依存せず、テクノロジーの力でも生み出したい。そうした思いで生まれたのが審査制の保護犬・保護猫マッチングサービスOMUSUBIです」
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文=露原直人 撮影=藤井さおり

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人とペットのウェルビーイング

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