国内

2023.04.06

8つのJA組織が団結 スタートアップ支援で日本の農業を守る

一般財団法人AgVenture代表理事長の荻野浩輝

日本の企業が世界に出るときに足りないものは何か。そのひとつが“クリエイティビティ”だとしたら、どうしたら乗り越えていけるのか。

Kitchen & Companyの中道大輔がナビゲートするPodcast「VISION TO THE FUTURE」とForbes JAPANがコラボレート。国内外で活躍する“視点”のあるゲストとともに、考え、発信していく。

Vol.31 配信は一般財団法人AgVenture代表理事長の荻野浩輝がゲスト。荻野が農林中央金庫に入庫するきっかけや、一般社団法人AgVenture Labの立ち上げに至った思いを聞いた。




中道:今回は一般社団法人AgVenture Lab代表理事の荻野浩輝さんをお迎えしてお届けします。

荻野さんは1990年に農林中央金庫に入庫され、2000年にカリフォルニア大学バークレー校(UCB)に留学されます。その後、2017年にデジタルイノベーション推進部を新設され、執行役員部長に就任。2019年5月、AgVenture Labを設立し代表理事長に就任されました。2021年には農林中央金庫特別参与に就任、同時に神戸大学アントレプレナーセンターの客員教授にも就任されていらっしゃいます。

まず、1990年に農林中央金庫に入庫されたのはどういう流れだったのでしょうか。

荻野:1990年は学生側の売り手市場で、銀行も商社も選び放題だったのですが、そのなかで僕は農林中央金庫を選びました。

僕は名古屋のベッドタウンで育ちました。もともとは田畑のある地域で、そこがベッドタウンになっていく過程を子ども時代に見ていました。大学進学で京都に出てからは、地方を旅して農業や水産業に触れる機会もありました。そういう体験のなかで自分の中に蓄積されたものがあり、就職する時は何か社会のためになるような組織で仕事がしたいとおもっていました。

銀行や証券会社や商社といろいろあるなかで、農林中央金庫やJAグループは存在意義がはっきりしているな、かっこいいなと思ったんです。

中道:農林中金ではどのようなことをされたんですか。

荻野:最初はシステム部門に配属され、ITをやって、その後は投資部門で有価証券投資とかをやっていました。30代になると、アメリカでインターネットが盛り上がってきて、それを勉強してこいということでUCBに留学したんです。現地で起業家をたくさん見たことや、起業家教育を勉強できたことは、いまAgVenture Labでのスタートアップ支援に役立っています。

中道:留学から帰ってこられてからAgVenture Lab設立までちょっと間が空きますけど、この期間はどういうことをされていたんですか。
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文=久野照美 編集=鈴木奈央

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