ビジネス

2023.03.24

TikTok禁止でアルファベット、メタらの株価が56兆円急騰する可能性

米国ソーシャルメディアがまもなく劇的に変わるかもしれない(Getty Images)

米国のIT大手3社は、もし米国がTikTok(ティックトック)を禁止すれば、4310億ドル(約56兆円)ほど時価総額が増えるかもしれないとBernsteinのアナリストはいう。大人気の中国籍SNSアプリが引き起こした問題は、ワシントンD.C.の表舞台に立っている。

Alphabet(アルファベット)、Meta(メタ)、Snap(スナップ)。TikTokに対抗するショートビデオプラットフォームを擁しているこれらの会社は、もし米国がTikTokの閉鎖を決行すれば、株価が急騰するだろうとBernsteinのマーク・シュムリック率いるアナリスト・チームがクライアント向けに述べている。

YouTubeショートを提供するYouTubeの親会社であるアルファベットは、TikTokユーザーが代替サービスに移行しなければならなくなった場合、最大20%株価が上昇し、Instagramリールの親会社であるメタは30%、Snapchatスポットライトの親会社であるスナップは50%、それぞれ株価が急騰する可能性があるとBernsteinは予測した。同社はかつて中国とインドで似たような禁止の恩恵を受けた企業の株価収益率データを参考にして推定した。

3月22日の株価に基づくアルファベット、メタ、スナップの時価総額の増加は、それぞれ2670億ドル(約34兆円)、1550億ドル(約20兆円)、90億ドル、(約1兆円)になる。

3社の株は、中国の親会社であるByteDance(バイトダンス)に対するTikTok強制売却の指示をTikTokのCEOと中国政府が拒否し、国家安全保障と情報プライバシーの懸念が渦巻く中、TikTokのCEOが議会で自社を擁護したことで、すでに恩恵を受けている。スナップ、メタ、アルファベットの株価は2~3%上昇し、時価総額は3社合わせて約400億ドル(約5兆円)急増した。

スナップとメタは、TikTok禁止の「明白な受益者」だとWedbushのアナリスト、ダン・アイブスは22日に指摘し、このような禁止はITセクター全体に幅広く影響を与えるものであり「米中の緊張を著しく高め、起こりつつあるテクノロジー冷戦がソフトウェアと半導体業界全体で展開されるでしょう」と予測した。
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翻訳=高橋信夫

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