2023.03.26 12:30

オーロラが見られなければ「無料の旅」進呈 北欧クルーズ企業が約束

Getty Images

オーロラを見ることが長年の夢だという人はいるだろうか? 「ノーザン・ライツ」とも呼ばれるオーロラは人々の想像力を刺激する自然の驚異であり、生涯で一度は見てみたいと思っている人も多い。

オーロラは必ず見られるものではないが、クルーズを利用すればその確率は高まる。海上では光害がないためだ。

利用者にぜひともオーロラを見てもらうため、金銭的なリスクを負うクルーズ企業が現れた。ノルウェーのHurtigruten(フィッティルーテン)社は、10月1日から3月31日のオーロラ観測シーズンに運航するクルーズの一部で「Northern Lights Promise(ノーザン・ライツ・プロミス)」と呼ばれるキャンペーンを開始した。

11日間以上にわたる旅程でオーロラが出現しなければ、ノルウェーでのクルーズ旅行を無料で提供するというものだ。

ヘッダ・フェリン最高経営責任者(CEO)は「乗船客には、オーロラを絶対に見られると安心して欲しい」と説明。「ノルウェーの大半の地域では、オーロラは珍しいものではなく普通に見ることができる。国土の半分近くは北極圏内にあり、オーロラを見やすい圏内にある」と述べている。

フィッティルーテンがオーロラシーズンに提供するツアー「Astronomy Voyages(天文学の旅)」には、天文学者で天体写真家のトム・カースをはじめとした専門家が同行する。

以下に、オーロラ観測に当たって注意すべきことを紹介しよう。

・携帯電話を見ない

カースはベストセラーとなった天文学書『Northern Lights: The Definitive Guide to Auroras(オーロラ:オーロラに関する決定版ガイド)』で「オーロラは星と同じく、目が暗闇に慣れていれば格段に見やすくなる」と説明。

「暗闇に完全に慣れるまでには約30分かかり、明るい光源をほんの一瞬見ただけで体験が台なしになってしまう」と書いている。その原因として最も多いのは、携帯電話とカメラだ。

・写真撮影のコツ

インスタグラムのアカウント(@stianmklo)で25万人近くのフォロワーを抱え、『ナショナル・ジオグラフィック』や『ロンリープラネット』などで取り上げられたこともある写真家のスティアン・クローは、クルーズ船上での撮影について次のようにアドバイスしている。

「船に乗っている間は船の動きを考慮しなければならない。鮮明な写真を撮るためには、シャッタースピードを1/200秒以上に設定すること。三脚や一脚を使ってカメラを安定させよう。高速レンズを使い、カメラのISO感度を上げ、できる限りシャッタースピードを上げること。レンズのピントを無限遠に合わせ、撮影を始めよう」

・オーロラは長く続かない

フィッティルーテンによると、オーロラが最もよく現れるのは午後5時から午前2時の間だ。「通常は長く続かず、少しの間出現したと思ったら消えて、その後にまた見えることもある。しっかり見える状態が15~30分続いたり、運がよければ2、3時間以上見えたりすることもある」

・予報を確認する

オーロラ観測の可能性を調べるのに便利なのは、アラスカ大学地球物理学研究所のウェブサイトだ。フィッティルーテンによると、このサイトではすべてのオーロラ観測地域に関する予報が公開されており、メールアドレスを登録してオーロラ予報の通知を受け取ることもできるという。

forbes.com 原文

編集=遠藤宗生

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