たとえばハッカーがシステムに侵入して個人情報にアクセスできないようにすることが不可欠であるのはもちろんのこと、データが誤って間違った場所に移動することをあらかじめ防げないと、そのシステム設計は不適切ということになる。
このように情報をどのように保護するかに失敗すると、警備や集客のために活用したセキュリティロボットのために、巨額な民事訴訟を起こされる可能性もある。
しかし、物流が途絶え、製造が遅れ、犯罪が増え、警察官も雇えないとなると、社会の動きは、多少のプライバシー保護失敗のリスクをとってでも、物理的に犯罪を阻止しようという動きにもなる。
前述の駐車場での盗難にしても、これ以上監視カメラは付けられないというくらい設置されているので、一度でも犯罪の犠牲になると、やはり受け身のセキュリティより、能動的な自走&AIというロボットが欲しいというのが本音だ。そのために、多少の個人プライバシーを犠牲にしなければならないというのなら、喜んでそのようにしようという考えにもなるのだろう。
果たしてこの流れはいつか終息していくのか、それともコロナ禍に関係なく、新しい考え方として根付いていくのだろうか。とはいえ、犯罪が増えるアメリカにあっては、とりあえずセキュリティロボットの普及はさらに加速しそうな気配ではある。
アメリカではこれまで犯罪に遭遇するようなことがなかった人たちが、その犠牲者ともなっている。時代の変化というのは、こういった人たちの気持ちの変化によっても後押しされていくのだろう。