世界陸連は3月23日、男性として思春期を経たトランス女性は、3月31日から女性の競技に出場できなくなると発表した。
すべての国際大会において、性発達の違い、または非典型的な性発達を引き起こす可能性のある先天性疾患を持つ選手は、少なくとも2年間、テストステロン値を1リットルあたり2.5ナノモル以下に下げる必要があると世界陸連は述べ、これまでよりも厳しい規制を課した。
世界陸連によると、現在、国際大会に出場しているトランスジェンダーの選手はいないという。
世界陸連は、インクルージョンよりも公正さと「女性競技のインテグリティ」を優先しているとしながらも、将来的にトランス女性を含める方法を検討するためのグループを設置したと述べた。
陸上競技だけではない。あらゆる種類のスポーツがトランスジェンダーのアスリートを制限するようになっており、特にペンシルベニア大学出身のリア・トーマスがNCAA 2021-22水泳選手権で500ヤード自由形でトランス女性として初めて優勝した後は、その傾向が強くなっている。その数カ月後、国際水泳連盟は、12歳以降に移行したトランス女性や男性思春期を経たトランス女性がエリート競技に出場することを禁止することを発表した。自転車競技の統括団体である国際自転車競技連合(UCI)と国際ラグビーリーグ連盟も、2022年の夏にこれに従った。
LGBTQのスポーツ団体であるAthlete Ally(アスリート・アライ)の創設者兼エグゼクティブ・ディレクターのハドソン・テイラーは、世界陸連は「包摂、公正、無差別という原則ではなく、政治的圧力に屈している」と述べた。同団体は声明の中で、トランス女性がスポーツにおいて本質的な優位性を持たないという国際オリンピック委員会の調査結果を指摘した。また、同団体は、世界陸連が義務づけているインターセックスの女性に対する性検査についても非難している。
また、世界陸連は、ウクライナで侵攻が続いていることから、ロシアとベラルーシの選手を「当面の間」排除し続けることに合意した。同団体は、2022年3月にロシアとベラルーシの選手を禁止することを決定していた。
(forbes.com 原文)