【お知らせ】Firefoxでの記事閲覧について

国内

2023.03.26 11:00

犬の本音を見える化 イヌパシーが飼い主の「思い込み」を破る

ラングレスCEOの山入端佳那(撮影=林孝典)

「ペットの気持ちを知りたい」そう思ったことがある人は多いのではないだろうか。

そんな飼い主たちの想いに応えるイヌパシーに人気が集まっている。イヌパシーは、犬の心拍の情報からペットの感情を5つのパターンで教えてくれる、世界初のハーネス型のデバイスだ。装着すると、背中部分の色と光り方で犬の発する「リラックス」「ドキドキ」「ハッピー」「興味」「ストレス」 の5パターンのメッセージが見て取れる。

2022年4月から行われたクラウドファンディングの先行予約では、目標額の721%となる約577万円を達成。30〜40代女性を中心に幅広い飼い主から多くの人気を集め、一般向けの提供も予定している。

なぜイヌパシーがここまで支持を集めるのか。2015年に創業し、同サービスを手がけるラングレスCEOの山入端佳那(やまいりばた・かな)は、その理由を「言葉で答えを出さないこと」と語る。

飼い主とペットの関係性に変化

たった5パターンの表現で、ペットの感情が本当にわかるのか、疑問を持つ人もいるかもしれない。まずは、実証実験としてイヌパシーを使ったユーザーにはどのような変化が現れたかを見ていこう。

一つ目は、パピヨンとその飼い主のケースだ。その飼い主は、パピヨンをよくドッグランに連れて行った。しかし愛犬は他の犬のように走って遊ばない。よかれと思って連れ出したものの、楽しくないのではないか……。そう思ったが、イヌパシーを着けると、リラックス&ハッピーを示した。

パピヨンは可愛らしい見た目と裏腹に、高い知能とプライド、そしてリーダー気質を持つ犬種。ドッグランで遊ぶ他の犬たちのボスになりたいという意思の表れだろう。

「飼い主さんは、『もしもイヌパシーがなかったら、せっかく気に入ったドッグランに二度と連れていかなかったかもしれない』と話していました。今でもそのパピヨンは、ドッグランで他のイヌ様子を眺めているそうです」(山入端)

次は、体の弱いトイプードルのケースだ。体が小さく病気がちで、散歩に連れていっても体が震えていた。飼い主は外に連れ出すのはよくないのかと悩んでいたが、イヌパシーが示したのはリラックス&ハッピーだった。
次ページ > 気づきを得ることで、ペットとの関係は改善する

文=井澤梓 編集=露原直人 撮影=林孝典

タグ:

連載

人とペットのウェルビーイング

ForbesBrandVoice

人気記事