NFT学位証明書を千葉工業大学が発行、就活のDXを推進

プレスリリースより

千葉工業大学は、今年度の卒業生と修了生にNFT学位証明書を発行しました。つまりデジタル証書です。

単に今流行のNFTを導入して話題性を求めたというわけではありません。学位証明書がNFT化されることで、さまざまなメリットが生まれます。もっともわかりやすいのは、web3技術による就活のDX化でしょう。

この学位証明書には、次の3つの利点があります。

1.プライバシーを保護しつつ千葉工業大学の卒業生であることを証明
ブロックチェーン上に存在するNFTなので、他人が勝手に複製や改変を加えることができない世界で唯一のデジタルデータとなります。同時に、かならずしもブロックチェーンを必要としないVC(内容の検証がオンラインで可能な事故主権型のデジタル証明書)技術も使っています。NFTとVCを組み合わせて、NFTでは千葉工業大学の卒業生であることだけがわかり、そのほかの情報はVCを使って本人が選択した内容を公開できることになります。就活用の履歴書にVCのURLを入れておけば、相手はオンラインでその人のことを確認ができるようになります。

2.大学機関に依存しないアイデンティティーの横展開
暗号資産ウォレットで管理できるので、NFTと連携可能なチャットツールやタスク管理ツールで本人の証明が可能。国際規格に準拠しているので、就活の海外展開でも活用できます。

3.リファレンスチェックのコスト削減
就職の採用選考では、求人側がその人の職歴、新卒ならば大学での成績や受講態度などを調査するリファレンスチェックの作業が生じますが、NFT学位証明書があれば、企業側はいちいち大学に問い合わせることなく、第三者が立証した情報を見ることができ、時間もコストも節約できます。

NFT証明書のデザインは、千葉工業大学創造学部デザイン科稲坂研究室の学生3人が行いました。卒業はゴールではなく人生の一過程であることから、学生の可能性を表す宝石の「原石」をデザインしています。

千葉工業大学変革センターの伊藤穰一所長によれば、VCとNFTの両方を使ったのは、卒業生がNFT学位証明書とほかのクレデンシャル(本人認証のための情報)とを一元管理できるようにするためだとのこと。また、このデザインはウォレットを接続するweb3上のあらゆる場所に表示され、デザインそのものが千葉工業大学の卒業生であることを示すようになるため、「とてもワクワクしています」と話しています。

このNFT学位証明書は、千葉工業大学とweb3事業を展開するPitPaが共同で開発しました。PitPaとはこれまでも学修歴証明書をNFTで発行するなど、ブロックチェーンを活用してきましたが、こうしたシステムを他大学や企業にも展開し、社会全体のDX推進に貢献するということです。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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