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2023.03.27

和歌山市長が語る、移と衣と食の結構すごい話|クレイ勇輝

第7回のゲストは和歌山県和歌山市の尾花正啓市長。2月11日、関西初となる東京ガールズコレクション「TGC 和歌山 2023」が和歌山市内で開催された。そのイベントを目の当たりにしたクレイ勇輝が尾花市長に話を聞くと、知られざる和歌山市の能力と魅力が次から次に飛び出すことになった。



クレイ勇輝(以下、クレイ)
 東京ガールズコレクションが和歌山市で開催された当日の2月11日、JR和歌山駅の地下にある「わかちか広場」はとても賑わっていました。和歌山ビッグホエールで行われた「oomiya presents TGC WAKAYAMA 2023 by TOKYO GIRLS COLLECTION(TGC 和歌山 2023)」のパブリックビューイング会場になっていて、集まった人たちが大勢いたんです。

今日はその「TGC 和歌山 2023」のこと、そしてもちろん「スモール・ジャイアンツ」を見つけるために和歌山市役所の市長室にお邪魔をしております。尾花市長、よろしくお願いします。

尾花正啓市長(以下、尾花) よろしくお願いします。

「わかちか広場」のパブリックビューイングは延べで約2500人にご来場いただいたと、「東京ガールズコレクション実行委員会」から発表がありました。「TGC 和歌山 2023」の会場である和歌山ビッグホエールのチケット約8000枚があっという間に完売したと聞いていましたので、和歌山市としては多くの方に楽しんでいただけるよう、当日は人が集まりやすくて便利な「わかちか広場」にパブリックビューイングを用意させていただきました。
2月11日、和歌山ビッグホエールで行われた「TGC 和歌山 2023」 © oomiya presents TGC 和歌山 20232月11日、和歌山ビッグホエールで行われた「TGC 和歌山 2023」 © oomiya presents TGC 和歌山 2023

クレイ ビッグホエールの周りでは「TGC 和歌山 2023 FOOD FES.」が開かれていて10台以上のキッチンカーが並んで和歌山産の食材を使用したグルメやスイーツを販売していました。人気のお店では開演前にすでに売り切ってしまった所もありましたね。

ビッグホエールのエントランス内には和歌山産の花で作られたフォトスポットや古着回収のブースも設けられていました。持ち込まれたTシャツやブラウス、ジャケット、デニムなど(*)から再生繊維を製造する取り組みで、自動車の内装材へとアップサイクルされるそうです。*回収対象外のものにジャージ、ニットセーター、肌着、水着、着物、帯、ベルト、ダウン、靴、鞄、皮革製品、ナイロン、ビニール類がある。

「TGC 和歌山 2023」が始まると会場内から震えるような歓声が湧きあがって、これがTGCかと、このイベントが持つパワーを感じました。尾花市長は当日をどんな気持ちで迎えられましたか?

尾花 若い人、特に圧倒的に女性に支持されているイベントが開催できたこと、そしてそれが関西では初めて和歌山市でできたことが本当に嬉しかったです。

開催に至るまでの期間は1年ちょっとくらいでしたが、鳴海禎造さんという和歌山市で事業をしている若くて熱心な社長さんが「和歌山の若い人たちに刺激を与えてあげたい」という思いから始まったんです。その思いがW TOKYOさん協力のもとで実現したわけですが、そこにはすごい力が必要だっただろうなと思っています。市内で事業をされている方から協力者を集めていき「TGC和歌山推進委員会」を立ち上げ、50社近いスポンサーを集めて支援をいただけることになった。この熱意、エネルギーは凄いなと思いました。

クレイ 和歌山市も共催というかたちで「TGC 和歌山 2023」にかかわっていますよね。

尾花 そうですね。市の職員も一所懸命、張り切ってやってくれました。会場に来られたお客さんに和歌山市の魅力を知ってもらおうと、観光PRや和歌山市に独自に根付いているものづくりの技術などを発信していきました。

クレイ 今回の取り組みは大きな経験になりましたか?

尾花
 1日だけのイベントですけど、皆で協力してやろうという空気がすごく、今後の和歌山市にとって大きなエネルギーになると感じました。新たな出会い、今後に活きるチャンスもあると思います。みんな“やればできる”という自信に繋がったと感じています。
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撮影 = ATSUYUKI SHIMADA

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