国内

2023.03.27 13:30

AI商談解析「アンプトーク」が考える日本に適したセールスイネーブルメント

早晩、日本にもセールスイネーブルメントがブレイクする日が来る。大きな企業の経営者とビジネスシーンで言葉を交わすと「リスキリング」や人材育成のための「トレーニング」というキーワードもよく話題に上る。日本の企業文化として、海外に比べると人材の流動性は高くない。だが、今後は売上利益に直結する営業部門の人材強化する模索する企業も増えるだろう。営業活動の効率アップを図り、生産性を高めるためのセールスイネーブルメントにもより多くの関心が向くはずだ。

日本らしいセールスイネーブルメントをアンプトークが支援する

いまセールスイネーブルメントツールの領域にもAIのテクノロジーが結びつきを強めている。

「AIがより身近なものになったことで、セールスイネーブルメントツールの開発も参入障壁が低くなりました。例えばOpenAIの音声認識モデルである『Whisper』を使えば、誰もが一定レベルの商談解析AIをつくることができるようになりました。長い文章の要約ならば『ChatGPT』があります」(猪瀬氏)

これから多くの人々がAIを活用する上で、プライバシーや倫理観の問題においてクリアになっていないこともまだ多くある。「技術があるのだから使おう」という意気込みがあまりに前のめりになると、大きな過ちを招く危険もある。「AIのテクノロジーが活かせる使い道をつくる」のではなく、反対に「社会課題から入り、それを解決するためにAIを使う」という視点を持つことが大切と訴えかける、猪瀬氏の考え方は傾聴に値する。

AIの言語モデルがコモディティ化したときにも、技術をただ闇雲に使うのではなく、社会課題の解決を目的としながらAIを使いこなす視点が大切だと猪瀬氏が語るAIの言語モデルがコモディティ化したときにも、技術をただ闇雲に使うのではなく、社会課題の解決を目的としながらAIを使いこなす視点が大切だと猪瀬氏が語る

猪瀬氏は、日本には独自のセールスイネーブルメントが根づく可能性があり、今後もユーザーの声を聞きながらアンプトークを日本のユーザーの期待に添うプロダクトに育てたいと意気込む。

広大な米国では、対面による商談は移動のための時間と費用が大きな負担になる。そのためコロナ禍以前からビジネスシーンではオンラインミーティングのツールが積極的に活用されてきた。日本は首都圏にビジネスエリアが集中していることから、従来は対面による商談が主流だったが、コロナ禍を経てオンラインで働くスタイルも根づいた。猪瀬氏は、これからは日本らしい「オンラインとオフラインをハイブリッドに往来するワークスタイル」を支えるセールスイネーブルメントが注目されるだろうと、風向きを読んでいる。

「人と人とが向き合う、対面による商談を最高に価値あるものにするためには会話の質を高めることが肝要です。また商談の周辺業務は効率化を図りながら無駄を省くことができれば、代わりに生まれる時間を情報のインプットにも役立てることができます。アンプトークが提供する議事録作成、商談解析の機能は、これから日本の企業がセールスイネーブルメントを実現するために『なくてはならないツール』であると確信しています」(猪瀬氏)

スクラムベンチャーズもamptalkといっしょに、これからの日本におけるセールスイネーブルメントの動向に注目していきたい。

連載:SCRUM FOR THE FUTURE
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編集=安井克至

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