スタディアでは、ChromecastやChromeブラウザ、モバイルアプリでゲームをストリーミングしながら、Wi-Fiコントローラーでプレイできた。立ち上げ当時は、マイクロソフトの「Xboxクラウドゲーミング」やソニーの「PlayStation Now」、エヌビディアの「GeForce Now」など、業界大手の対抗馬と目された。
同社がそれから4年足らずでスタディアのサービス終了を発表したことは、一部の業界アナリストから驚きをもって受け止められた。最近公表された報告書や専門家の推測によると、失敗の原因はコンテンツ不足や不十分な技術インフラだったという。英国の規制当局は、マイクロソフトによるアクティビジョン・ブリザード(Activision Blizzard)の買収計画に懸念を示しており、その根拠としてスタディアの失敗を挙げている。
「グーグルがスタディアの閉鎖を決定したことは、クラウドゲーミングに重要な強みを持っているだけでは、成功が保証されないことを示している」と、英国の競争・市場庁(CMA)は報告書の中で述べている。
CMAの暫定調査結果によると、2022年のクラウドゲーミング市場におけるスタディアのシェアは5%未満だった。これは、グーグルが公表した2021年の推定市場シェアである5~10%から低下している。ビジネスニュースサイトのインサイダーによると、2020年末時点でのスタディアの月間アクティブユーザー数は約75万人で、関係者はリテンション(サービス利用の継続)を懸念点として挙げていた。グーグルはスタディアの会員数を公表していない。
CMAによると、2022年におけるクラウドゲーミング分野のシェアは、マイクロソフトのXbox Cloud Gamingが60~70%、ソニーのPlayStation NowとエヌビディアのGeForce Nowがいずれも10~20%、アマゾンのLunaが0~5%だった。
CMAは、マイクロソフトによるアクティビジョン・ブリザードの買収計画に関する審査の一環として、グーグルからこれらの情報を入手した。CMAは、政府が買収を承認すれば、英国におけるゲーム機やクラウドゲーミングサービスの競争が阻害されるとしている。また、グーグルがスタディアを終了した原因は、コンテンツ不足と互換性に欠ける技術インフラに原因があると結論付けている。