経済

2023.03.24 08:50

世界各地で「食料の値上げ」深刻な影響を受けるのは、あの国


「食料価格の上昇は、最貧国と最も脆弱な層に壊滅的な影響を及ぼしている」と話すのは、世界銀行グループのデイビッド・マルパス総裁。「各国はエネルギーと肥料の供給を増やし、農家の作付けと収穫量の増加を支援し、輸出入を妨げたり、食料をバイオ燃料に転用したりと、不必要な貯蔵を促すような政策を撤廃するために、協調して努力すべきである」と、訴えています

世界の食料価格高騰による負担を軽減するには

2022年5月、世界銀行は、食料と栄養の安全保障強化、リスクの軽減、食料システムの強化を目的とした、既存および新たな短期・長期プロジェクトの規模を拡大するために、300億ドルの支援パッケージを発表しました。

農家とその生産物の支援措置を講じることが優先課題に挙げられているこの支援策では、投入財貿易の障壁の撤廃、より効率的な肥料の使用、来年の生産量を増やすための政府の政策や資源の再形成などが提案されています。

また、世界貿易の障壁を緩和するために、G7、G20、その他のグループの間で国際的なコンセンサスを得ることも目指しています。これは、食料価格を押し上げる国家的な輸出制限や、発展途上国の生産を抑制する輸入制限のような保護主義的な措置に対抗することを意味します。

脆弱なコミュニティは、栄養に配慮した社会保護プログラムの規模を拡大し、早期対応融資メカニズムが適切に資金を供給されるための支援を必要としていると、世界銀行は強調しています。

そして、ますます脆弱になりつつある食料システムを、貿易の途絶、経済的ショック、紛争による混乱、気候変動、病気や害虫などの影響に対し、よりレジリエントなものにするための投資が必要です。これは、すべての人にとって安全な食料の未来を確保するために、短期的なニーズと長期的な投資のバランスをとることを意味します。

短期的な展望に関しては、明るい兆しもあります。世界経済フォーラムによる最新のチーフ・エコノミスト・アウトルックは、2023 年末までに生活費危機とエネルギー危機の両方が緩和される可能性があると示しています。

(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)

連載:世界が直面する課題の解決方法
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文=Johnny Wood, Writer, Forum Agenda

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