割り箸はそのほとんどが使い捨てられることから、環境に悪いイメージを持っている人が多いと思うが、本当に環境負荷が大きいのだろうか。
今回は、割り箸のサステナビリティを解説していく。
すべての割り箸が環境に悪いわけではない
結論から述べると「割り箸は使い捨てだから、すべて環境に悪い」というのは割り箸によくある誤解である。国産の割り箸は本来捨てられるはずだった間伐材を利用したり、木の端材を利用したりしている「環境に優しい製品」なのだ。
また、木材は理論上、使用後に焼却しても有毒ガスや二酸化炭素を排出しないうえ、堆肥化もできる。
割り箸が生まれた経緯
そもそも割り箸は「もったいない」の精神から生まれたものだ。スギやヒノキを建築用に製材したあと、外側の端材が残ってしまうため、有効活用するために割り箸が作られたのである。
また、日本の森林の4割を占める人工林は、適切な時期に伐採して管理する必要がある。
その際に出た間伐材は使わないと無駄な資源となるため、間伐材を利用した商品は地球の貴重な資源を有効活用しているのだ。
日本の森林は適切な伐採が必要
高齢の木よりも若い木のほうがCO2吸収量が多いため、森林を適切に管理することは地球温暖化の抑制にもつながる。森林伐採をせずに守っていかなければならないのは海外の事情であり、日本は逆に成長した木を伐採し、新しい資源となる木を植える段階なのだ。
しかし、林業に従事する人は右肩下がりで減ってきており、伐採しようにも人が少ないためできない状態となっている。
割り箸の国産比率
国産の割り箸がサステナブルな理由を解説してきたが、実は日本で利用されている割り箸のうち90%以上は輸入品と言われている。中国産が安く大量に輸入されているのだ。
1990年代からファストフード店や弁当屋が流行したことで、安価な外国産の割り箸が求められるようになった。
海外で作られた割り箸は、国産と同じく環境にやさしいのだろうか。