北米

2023.03.22

FBグループで発生した「ママ友殺人事件」とその捜査を巡る議論

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捜査令状によると、FBIは12月にフェイスブックに対してグループ内の投稿や、フォーラムを作成した人物の氏名と住所、メンバーが共有した動画や写真を提供するよう伝えた(フォーブスも閲覧しようとしたが、非公開に設定されているためにできなかった)。

FBIの捜査官は「このFacebookグループの情報を入手することで、目撃者を特定し、事情聴取することが可能になる」と令状に記載している。

捜査協力とプライバシー保護のバランス

フォーブスがグループ管理者の1人に接触し、ウォーターマンの行動とFBIによる捜査について知らせたところ、彼女はいずれについても認識していないと述べた。グループはすでに非公開にされており、新規ユーザーは運営者に入会を申請し、アーカンソー州北西部に住んでいることを証明しなければならなくなっている。

また、グループのモデレーターの1人は、捜査がメンバーのプライバシーを不必要に侵害しているとし、政府の行動にショックを受け、懸念を抱いていると述べている。「容疑者をすでに確保しているのなら、グループを捜査する必要はないはずだ。我々が自分たちの情報を守ることができるよう、フェイスブックには我々に対して捜査が行われていることを通知する責任がある」と彼女は語った。

メタは、Facebookグループが捜査対象となった場合に、そのメンバーに対してどのように通知するか方針を定めていない。同社の広報担当者であるダニー・レバー(Dani Lever)は、進行中の捜査についてコメントできないとした上で、政府による捜査が行われた場合には、グループの作成者にのみメールで通知し、他の管理者やモデレーター、メンバーには通知しないと述べた。ただし、箝口令が敷かれている場合や、子どもの命が危険に晒されていたり、通知が逆効果になる恐れがあるような状況下では、通知を行わないという。

今回のケースでは、メタはグループの作成者に捜査について通知をしたとしている。フォーブスが最初に接触した管理者に再度コンタクトし、彼女がグループの作成者であるか、またフェイスブックからのメールを確認したか質問をしたが、回答を得られなかった。もう1人の管理者にもコメントを求めたが、回答はなかった。
次ページ > ページには、ホットココアのレシピなどが投稿されていた

編集=上田裕資

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