古代ローマ神殿パンテオンが有料に、入場料約700円

イタリア・ローマのパンテオン(Getty Images)

イタリア文化財・文化活動省は先週、首都ローマの神殿パンテオンを訪れる観光客から近々入場料の徴集を開始する予定だと発表した。

古代ローマ時代の紀元前1世紀に建てられ、609年にカトリック教会に改修されたパンテオンはイタリアを代表する観光名所で、年間数百万人もの観光客が訪れている。

パンテオンに入場する観光客は今後、5ユーロ(約710円)の料金を徴収されるようになる。当初の案では2ユーロ(約290円)とされていたが、これは25歳未満の来場者に適用される割引料金となる。ローマ在住者や未成年者、教会のミサへの参加者は無料だ。

入場料の導入は、文化省と教会関係者が16日に合意したもので、収益の70%は神殿の維持費や清掃費として同省に、残りはローマ司教区に分配される予定だ。ジェンナーロ・サンジュリアーノ文化相は、今回の決定について「良識のある」判断だと述べた。

徴収の開始時期については、今後技術的な準備を整える必要があるとして、明らかになっていない。現時点ではパンテオンは無料で見学できるが、週末や祝日には予約が必要だ。

数年前にもパンテオンで入場料を導入する構想はあったが、2018年に前政権によって棚上げされていた。

イタリアでは2023年初め、他の有名な観光地でも料金の大幅な値上げがあったばかりだ。

フィレンツェのウフィツィ美術館は、繁忙期の入場料引き上げを決定。これまでの20ユーロ(約2850円)から25ユーロ(約3570円)に値上げされた。

同美術館は、この値上げは光熱費や修繕費の上昇を補うために必要だと説明している。サンジュリアーノ文化相も、入場料の引き上げは公平で「欧州の基準に沿っている」との見解を示していた。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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