欧州

2023.03.23 09:30

ロシア兵、ウクライナの戦車鹵獲で報償金2000万円相当か ただし期待は禁物

ウクライナ軍兵士を対象としたスペイン軍による独主力戦車「レオパルト2」の運用訓練(Fabian Simon/Europa Press via Getty Images)

フォレス、スドプラトフ大隊、ロシア大統領府のいずれも、約束した全額は支払わないだろう。まったく報奨金を出さない可能性も高い。西側の戦車が不死身だというわけではなく、砲撃と地雷が最大の脅威であるウクライナの戦場で戦車が大破したとして、その功績をだれか1人の兵士として讃えることが果たして可能だろうか。無傷で戦車を鹵獲できれば報奨金を受け取れるかもしれないが、そんな状況はめったにない。
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もちろん、公民問わず報奨金というのは、実際に支払われなくても目的を果たせる。ロシア軍やロシア側で戦う部隊の兵士が、大金を手に入れられるかもしれないと信じて行動すればよいのである。

ただし、ロシア当局や親ロシア派は、ほとんどの兵士が戦う動機を誤解している可能性がある。2003年に発表された米陸軍大学関係の研究で、レオナード・ウォン、トーマス・コルディッツ、レイモンド・ミレン、テレンス・ポッターは、歴史家がかねて認識していたことを再発見した。「現代の米軍兵士は、昔の兵士と同じく、互いのために戦っている」「部隊の結束力は健在だ」とこの研究は指摘している

もう一度、自分が徴兵された60歳のロシア軍兵士で、たった1カ月の中途半端な訓練を受けただけでウクライナの前線に到着したところだと想像してみてほしい。あなたは所属大隊の顔ぶれをほとんど知らない。大隊の仲間もあなたのことをほとんど知らない。
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団結力など皆無に等しい。さて、運よくウクライナの戦車を撃破・鹵獲できたら巨額のボーナスをやると言われて、戦う意欲はどれだけ湧くだろうか?

forbes.com 原文

編集=荻原藤緒

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