もちろん、公民問わず報奨金というのは、実際に支払われなくても目的を果たせる。ロシア軍やロシア側で戦う部隊の兵士が、大金を手に入れられるかもしれないと信じて行動すればよいのである。
ただし、ロシア当局や親ロシア派は、ほとんどの兵士が戦う動機を誤解している可能性がある。2003年に発表された米陸軍大学関係の研究で、レオナード・ウォン、トーマス・コルディッツ、レイモンド・ミレン、テレンス・ポッターは、歴史家がかねて認識していたことを再発見した。「現代の米軍兵士は、昔の兵士と同じく、互いのために戦っている」「部隊の結束力は健在だ」とこの研究は指摘している。
もう一度、自分が徴兵された60歳のロシア軍兵士で、たった1カ月の中途半端な訓練を受けただけでウクライナの前線に到着したところだと想像してみてほしい。あなたは所属大隊の顔ぶれをほとんど知らない。大隊の仲間もあなたのことをほとんど知らない。
団結力など皆無に等しい。さて、運よくウクライナの戦車を撃破・鹵獲できたら巨額のボーナスをやると言われて、戦う意欲はどれだけ湧くだろうか?
(forbes.com 原文)