アジア

2023.03.21

シワ取り注射で注目の韓国企業ケアジェン創業者がビリオネアに

Kostiantyn Voitenko / Shutterstock.com

韓国のバイオテクノロジー企業ケアジェン(Caregen)の株価は、ここ1年で3倍に上昇し、創業者でCEOのチュン・ヨンジは、ビリオネアの仲間入りを果たした。

現在53歳の鄭は、ケアジェンの64%を保有し、彼の2人の子どもがそれぞれ0.05%を所有している。フォーブスは今年2月時点で、鄭の一家の保有資産を約11億ドル(約1450億円)と試算している。

ソウルの南のアニャン(安養)市に拠点を置くケアジェンは、アミノ酸が結合した化合物のペプチドを用いた化粧品やヘルスケア製品を開発している。同社を代表するプロダクトとしては、注射で皮膚のシワを改善する充填剤が知られている。ケアジェンは、130カ国以上に製品を出荷しており、最大の市場は中東・北アフリカ、ヨーロッパ、アジア太平洋地域とされる。

同社の報告によると、2022年の第3四半期までの売上高は前年同期比13.4%増の約500億ウォン(約53億円)で、純利益は2.1%増の210億ウォンだった。同社の最大の収益源である抗シワ剤は総売上の45%を占めていた。

ケアジェンのもう1つの主要なプロダクトには、同社が育毛を助けると主張している「ドクターCYJヘアーフィラー」と呼ばれる毛髪用注入剤がある。毛髪用製品の収益は2022年第1〜3四半期に前年同期比15%増の105億ウォンに達した。

鄭が2001年に設立したケアジェンは、2015年に韓国のテクノロジー銘柄が多いコスダック市場に上場し、1億6000万ドルを調達した。鄭はコーネル大学で動物科学の博士号を取った後に、テキサス州立大学で生物学の修士号、ソウルの成均館大学で遺伝子工学の学士号を取得した。

鄭は、昨年7月に保有資産が10億ドルを突破したゲーム会社ライオンハートスタジオ創業者の金在鎔(キム・ジェヨン)以降で初めての、韓国のビリオネとなった。ライオンハートの企業価値は、昨年、インターネット大手カカオから9億2500万ドルの投資を受けた際に30億ドルと評価された。

韓国の富豪50人ランキングに名を連ねるバイオテクノロジー関連のビリオネアとしては他に、医薬品メーカーのセルトリオン創業者のソ・ジョンジンと、SDバイオセンサー創業者のチョ・ヨンシクの2人が挙げられる。2002年にセルトリオンを設立したソは、直近のランキングで4位に入り、保有資産は69億ドルとされた。

一方、チョは2021年7月に、新型コロナウイルスの検査キットメーカーのSDバイオセンサーをコスダックに上場させてビリオネアとなり、昨年のランキングでは保有資産23億5000万ドルで18位に入った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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