ゴビパートナーズの支援先には、数多くのゼロからビジネスを立ち上げた起業家が含まれている。その一例としてタンが挙げたのが、スニーカーに特化したEコマースサイトKicks Crewの創業者のジョニー・マックだ。香港の公営住宅で育った彼は、10代の頃から限定モデルのスニーカーを手に入れるため、朝から店に並びんでいたスニーカーマニアで、その後、自身でビジネスを立ち上げて事業を拡大した。
タンは「香港には、君のような起業家がもっと必要なんだ」とマックに話し、2022年にKicks Crewが600万ドルを調達したシリーズAラウンドを主導した。
タンは、今後もフィンテックとAIが起業家にとって「最大のチャンス」であり続け、国境を越えたEコマースの成長も期待できると述べている。また、中国の習近平国家主席が2060年までにカーボンニュートラルを達成するという目標を掲げていることから、サステナビリティとクリーンエネルギー分野の企業にも注目している。
ゴビパートナーズは、香港を拠点とする垂直農法のスタートアップのFarm66や、代替肉のGood Food Technologiesなどの企業も支援しいる。
世界中を旅してきたタンは今、ようやく自分の居場所ができたと感じている。「私の原動力は、すばらしい人々に出会い、彼らの旅の一部となることです」と彼はいう。「ベンチャーキャピタリストというのは、おそらく私にとって最高のポジションなのです」とタンは語った。
(forbes.com 原文)