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2023.03.20

「マンガ」好きに新しいデジタル読書の選択肢を 米アズキの挑戦

Getty Images

アプリに加え、同社はこのほどオリジナル作品とライセンスコンテンツの電子書籍をBookWalker(ブックウォーカー)、Amazon(アマゾン)、Apple Books(アップルブックス)、Google Play Books(グーグルプレイブックス)でダウンロード販売するプログラムを発表した。第一弾は『きみは謎解きのマシェリ』と『隣の席になった美少女が惚れさせようとからかってくるがいつの間にか返り討ちにしていた』で、3月23日に発売される。

マーケティング・ライセンシング担当責任者のミントは「さまざまな種類のマンガを、さまざまな読み方で読者に提供したい」「購読者が好きそうなタイトルを独自に発掘している。このキュレーション・アプローチにより、単なるアプリにとどまらない、出版社としてのマインドセットがもたらされている」と説明した。

デジタルコミック部門は、アマゾンのcomiXology(コミクソロジー)サービス、少年ジャンプ英語版やVIZなどのマンガ専用プラットフォーム、モバイル端末に最適化された「縦読みマンガ」を提供する韓国のWebtoon(ウェブトゥーン)など、競合がひしめく。アズキは狭き道を進むことになる。

ミントによれば、月額4.99ドル(約660円)で無制限に利用できるアズキのサブスクリプション形式と、ローカライズを重視した翻訳・レタリング・編集の専門家チーム、多彩なテーマを網羅したキュレーション、コンテンツへの情熱的なアプローチの組み合わせにより、他サービスとの差別化を図れるという。

「マンガは他のコンテンツに埋もれてしまいがちなので、より良い発見体験を提供する」「サブスクリプション形式なら、新しいタイトルを読んでみようと思いやすい。章ごとに購入する形式やダウンロード販売とは、その点が異なる」とミントは語った。また、マンガファンに、海賊版サイトの運営者ではなくクリエイターをサポートしている実感を抱いてもらえるという効果もある。

「私たちならマンガ市場により大きな価値をもたらし、市場の成長を加速させられると考えている」とジャファリーは語った。「英語圏の市場におけるマンガの可能性は、まだ25%にも達していない」

forbes.com 原文

編集=荻原藤緒

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