海外

2023.03.23

サブスクの「誤解約」を減らす米フィンテック企業の革新性

バター・ペイメンツの創業者ヴィジェイ・メノン(C)Butter Payments

「成功報酬型」のビジネスモデル

バター・ペイメンツは、顧客が取り戻すことができた売り上げの一部を受け取る「レベニューシェア」モデルを採用している。料率は通常10%から始まり、リカバリー率の向上に伴い増加する仕組みだ。

この手法により、バター・ペイメンツのバランスシートは徐々に強化されてきた。2021年12月に実施したシードラウンドの段階では、売上高5億ドルの企業に対して250万ドルから500万ドルの回収を支援すると提案していたが、現在では2500万ドルのリターンを約束している。Norwest Venture Partnersのイップは「バター・ペイメンツのアイデアを聞いてすぐに出資を決めた。どの会社を精査する際も、リテンションはわれわれが最も重視する指標だ」と話す。

バター・ペイメンツは、今回調達した資金を使って事前承認のための製品を開発し、初回の決済が正常に処理される可能性を高めると同時に、企業がStripeやAdyenなどのフィンテック・サービスに決済をルーティングできるようにする計画だ。これを実現するために、メノンは社員を50人に倍増する考えだ。多くのフィンテック企業が低迷している中でバター・ペイメンツは早期に成功を収め、予想を大きく上回る評価額で資金を調達することに成功した。

「資金調達を開始した当初は、4000万ドルか5000万ドルの評価を目標にするように言われたが、1億ドルという素晴らしい評価を得ることができて満足している」とメノンは語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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