こうして消去法で考えていったら、IPOしかなかったんです。上場してパブリックにすることによって、一番ふさわしいひとがクリエイティブ・フィールドの真ん中に来て、僕の跡を継ぐ可能性が出てきます。IPOというのはソース原理からすると継承に向いている仕組みだと思いますね。
山田:ソース原理で説明しやすいスタイルの経営を実践している企業は、国内だけでもまだまだたくさんあると感じています。実例がたくさんあることが、再現性の証拠になると思うんですよね。継承は課題だとは思いますが、実例を集めることで経営の流派の選択肢として提示できると考えています。
青木:新しい選択肢を作ることは希望を作ることです。希望を見せておいて絶望させるのは一番してはならないことですから、見せた希望に対して責任を取れるようにしていきたいと思います。
青木耕平◎1972年生まれ。クラシコム代表取締役社長。2006年、実妹である佐藤友子とクラシコム共同創業。2007年より北欧ビンテージ雑貨をEC販売する「北欧、暮らしの道具店」を開業。現在では「フィットする暮らし、つくろう。」をミッションにライフカルチャープラットフォームとして、様々な商品を取り扱いながら、日々の暮らしに関するコラムや映像を制作・配信するとともに、企業へのマーケティング支援を行うなど、ライフカルチャーにまつわる事業を展開中。
山田裕嗣◎令三社代表取締役。セルムで人材育成・組織開発のプロジェクトに携わったのち、サイカの代表取締役COO、ABEJAの人事責任者などを務める。2018年には次世代の組織のあり方を探求するコミュニティとして一般社団法人自然経営研究会を設立。2021年に令三社を共同創業。2022年10月に、『すべては1人から始まる──ビッグアイデアに向かって人と組織が動き出す「ソース原理」の力』(トム・ニクソン著、英治出版)を共同翻訳・監修。