政治

2023.03.18

国際刑事裁判所、プーチン大統領に逮捕状 戦争犯罪容疑で

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(Getty Images)

オランダ・ハーグに本部を置く国際刑事裁判所(ICC)は17日、ウクライナの子どもたちを強制的にロシアに連行した戦争犯罪の疑いで、同国のウラジーミル・プーチン大統領と高官1人に逮捕状を出した。米国などの主要国は、ロシアがウクライナ侵攻で戦争犯罪と人道に対する罪に及んだと主張しており、ICCは捜査を進めていた。

ICCによると、プーチンとマリア・アレクセーエブナ・リボワ・ベロワ大統領全権代表(子供の権利担当)は、ウクライナの子どもたちをロシアに「違法連行」した疑いがかけられている。ICC逮捕状の執行は各国にゆだねられており、プーチンとリボワ・ベロワが裁判にかられけるためには、他国の当局が身柄を拘束する必要がある。

米紙ニューヨーク・タイムズは今週初め、ICCがロシアのウクライナ侵攻に関連する戦争犯罪の立件を決めたと報道。情報筋の話として、ICCがこの他にも数人の逮捕状を出す可能性を伝えていた。報道を受けて、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、同国政府はICCを認知しておらず、その管轄権を認めていないと指摘。ロシア外務省は以前、ICCは「独立した信頼できる」機関ではないとの見解を示していた。

ロシアが昨年から続けるウクライナ侵攻で戦争犯罪に及んだという疑惑は、ここ数カ月で強まっている。カマラ・ハリス米副大統領は2月に開催されたミュンヘン安全保障会議での演説で、ロシア軍がウクライナ南東部マリウポリへの攻撃で民間人を殺害し、ウクライナの子どもたちを集団強制連行したなどと主張。ジョー・バイデン米大統領は昨年4月、プーチンを「戦争犯罪人」と呼び、裁判にかけるべきだと主張した。人権団体アムネスティ・インターナショナルなどの機関も、ロシアが人道に対する罪を犯していると非難している。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子・編集=遠藤宗生

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