北米

2023.03.17

米FBIがバイトダンスに事情聴取、TikTokで米記者を監視した問題で

Shutterstock

米連邦捜査局(FBI)と司法省(DOJ)は、TikTok(ティックトック)の中国の親会社であるバイトダンスが、フォーブスの記者を含む米国人ジャーナリストを監視する目的で、アプリを使用していた問題で調査を進めている。両省の動きに詳しい関係者が明らかにした。

司法省の刑事局詐欺課は、連邦検事局とともにバイトダンスに対し、同社の従業員がTikTokのアプリを用い、米国人ジャーナリストの位置情報や個人データにアクセスしようとした試みに関する情報を提出するよう命じた。2人の情報筋によると、FBIはこの監視行為に関連した事情聴取を行っている。

バイトダンスが同アプリを利用して米国市民を監視していたことは、10月にフォーブスが最初に報じ、12月に同社の社内調査によって確認されていた。

バイトダンスの広報担当者のジェニファー・バンクスは「我々は、この行為に関与した個人の行動を強く非難する。彼らはもはやバイトダンスに在籍していない。社内調査は現在も進行中であり、公式な調査が行われた場合には、これに協力する」と述べている。

連邦政府がバイトダンスによる米国人の監視行為を調査しているという報道は、この記事が初めてだ。

司法省とFBIが常任委員を務める対米外国投資委員会(CFIUS)は今週、バイトダンスに対しTikTokの経営を分離させるか、もしくはアプリの全面的禁止を受け入れるかを要求した。CFIUSは以前から、TikTokが中国政府に利用されるという懸念を緩和するための契約をバイトダンスと結ぼうとしていた。

今回の分割要求は、TikTokにとって強力な打撃となる。彼らは「プロジェクト・テキサス」として知られる一連のデータ隔離計画に15億ドル(約2000億円)を費やすことを約束し、バイトダンスがTikTokを所有し続けられることを望んでいた。
次ページ > FBI長官も懸念を表明

編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事