そんな「睡眠」の日を前に、ブレインスリープ社が全国の1万人を対象に調査*を実施。日本人の睡眠に関する最新動向を発表した。
*【調査概要】調査手法:web調査対象地域:全国対象者条件:男女サンプル数:n=10000ss 調査実施期間:2023 年1月
日本人は世界的に見ても睡眠不足だと言われるが、実際にどのくらい眠っているのだろうか。
同社の調査結果によると、2023年の日本人の平均睡眠時間は6時間43分だった。日本人の睡眠時間は、コロナ禍に入った2020年から2021年で16分増加したが、それ以降は横ばいになっている。OECD加盟国の平均睡眠時間は8時間25分なので、やはり圧倒的に短く、世界では最低レベルだ。
出典:ブレインスリープ
また、コロナ禍で世界的に睡眠時間が延びたものの、夜型の生活をする人が増えたことで「睡眠の質」は低下しているという。同調査では自身の睡眠の質が「わるい」もしくは「非常にわるい」と回答した人は1万人中4287人で、半数近くにのぼった。
睡眠の「質」の低下で年間約76万円の経済損失
同社最高研究顧問でスタンフォード大学医学部精神科の西野精治教授によると、睡眠の質は仕事のパフォーマンスや免疫力向上にも結びつくことが分かっている。「睡眠の質」は、個人だけでなく企業にとっても大きな課題なのだ。調査では、自身の生産性をレベル3(生産性の自己評価が51~75%)以上と回答した人の「睡眠の質」スコアは70点以上あり、レベル4(同76~100%)と生産性が高い方に近付くほど、「睡眠の質」のスコアが上がる傾向にあることが分かった。
例えば、年収を507万円(平均年収)とした場合、睡眠の質が最も良い場合と比較して、最も悪い場合では年間で約76万円の経済損失につながるという。
また、調査結果をもとに同社が算出している睡眠偏差値*に関して、新型コロナウイルスに1回でも罹患したことのある人と罹患していない人のデータを比較すると、罹患した人の睡眠偏差値が低かった。さらに、罹患回数が多いほど睡眠偏差値が低い傾向があることも分かった。
*睡眠に関する自覚症状や睡眠習慣を含む幅広い視点で「睡眠の主観的評価」を定量化する質問群を作成し、さらに「偏差値」として数値化したもの。
生理や更年期が女性の不眠の原因に
では、なぜ「睡眠の質」が悪化してしまうのか。調査によると、男女ともに原因の1位は「仕事の内容」2位は「職場の人間関係」と仕事に関するものだった。ただ、女性は3位が「ホルモンバランスの変化・乱れ」となり、女性ならではの健康課題も睡眠に関係していることが分かる。
実際に「生理・妊娠出産・更年期を理由に睡眠の質に課題がある」と回答した女性は31.4%。一カ月の中で不眠を感じる日数として、生理(前後含む)で平均5.7日、妊娠出産で平均10.4日、更年期で平均7.3日と答えた。
出典:ブレインスリープ