数年前はそんなフレーズが流行ったこともありましたが、最近ではアカデミック領域の研究や働き方改革も推進され、人それぞれ最適な生活リズムを尊重する文化が浸透してきました。
そもそも私たちには「クロノタイプ」と呼ばれる、朝型・中間型・夜型という遺伝子レベルで先天的に決まっている睡眠の特性があります。それぞれメリットやデメリットもあります。
健康経営を推進する企業の従業員の方と面談をしていると「数十年、朝の怠さに悩んでいる」という方に時々出合うのですが、その方は典型的な夜型のケースが多いです。
夜型の人はいくら頑張っても身体の特性的に朝が苦手なので、朝に“スッキリ”を感じることは難しいでしょう。
一方で、逆の考え方をすれば、自分のクロノタイプを正しく理解することで、プライベートや仕事のパフォーマンスなどのQOL全般を向上させることができます。
今回は3つのタイプのメリット・デメリットおよび、夜型の人がパフォーマンスを出すための睡眠の技術についてご紹介をしたいと思います。
3つのクロノタイプの特徴は
◆朝型のメリットとデメリット朝型の人は文字通り、早寝早起きが得意です。集中力や判断力が必要とされる仕事は、朝一または午前中にこなすことが理想とされます。
1日の前半にパフォーマンスのピークがくるという特性を理解して、スケジュールを組むと仕事の質があがります。一方、デメリットとしては夜更しなどで一度リズムを崩してしまうと、もとの正常なリズムに戻すまで数日時間を要してしまうという事。
また、時差ボケに弱いという特徴があります。例えば、アスリートで朝型の方は(開催地にもよりますが)現地に遅くとも1週間以上前に入り、その土地のリズムに体内時計を調整して本番にピーキングすることが重要になります。
◆夜型のメリットとデメリット
夜型の人は、時差ボケに強く、夜更しをしても直ぐにもとのリズムに戻しやすいというメリットがあります。
ただ、眠くなる時間帯が必然的に遅いので、早朝から出勤する必要のある企業で働かれている方は、慢性的な睡眠不足になりがちというデメリットがあります。
慢性的な睡眠不足は、集中力の低下や昼間の眠気を催します。仮にそれが運転を伴う仕事の場合などは、他人の命を奪いかねない悲惨な事故の原因になるので注意が必要です。
◆中間型のメリットとデメリット
中間型の人は、朝型・夜型どちらにでも比較的器用に調整しやすいというメリットはあるのですが、一方で身体にかかっている負荷を感じにくい・認識しにくいというデメリットがあります。
それゆえ、気づいた時には手遅れ、最悪のケースは過労死という労災につながるケースもあるのです。
ここまで3タイプのメリットとデメリットを説明しましたが、決してどれが良い悪いというものではありません。個人が持っている特性ですので、それを個人および理想的には会社側が理解することで、生産性の高い仕事とチームワークが実現できます。